西浦
□夏祭りデート
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「い....いえ....大丈夫です。」
「お兄さんがおんぶしてあげるってば〜」
そう言ってその変な人が私の腕を掴んだ。
や....ヤダ!!気持ち悪い....怖いっ!!
悠一郎!!
すると...私と変な人の間に誰かが....
「スンマセンけど、この子俺のなんで触んないでもらえますか?」
(悠一郎....)
「チッ んだよ、男持ちかよ。つか、こーんなチビのどこがいいんだか〜」
「チビで悪かったな!」
おわ、怒った!
チビって言われると腹立つのね。
その怒った悠一郎が怖かったのか、ナンパ男は逃げていった。
クルッ
「名前。」
「!あ....う....ゴメン...なんか...こんな所で...」
「お前が謝ることじゃねえよ。...浴衣着てこいって言ったのは俺なのに...歩きにくいのに...ゴメン、勝手に先行っちゃって。
....怖かったよな?」
「うん....怖かっ....た」
自然と涙がこぼれてしまった。
怖かった....けど、良かった...会えて...。
私の目から流れ出る水滴を指でそっととる悠一郎。
そして悠一郎はニコッと笑った。
私も笑い返した。
そして....
「よし、続き行こっか!」
「うん!」
フワッと私の体が浮いた。
「ほわっ?!」
「名前、足痛むだろ?俺がおぶってやるよ!」
「え?!い...いいよ!浴衣だし!わわわ....」
何も構わず悠一郎は私をおんぶしたまま歩き出す。
ていうか、私がドキドキするんだってば!浴衣も崩れる...
まあ、そんなこんなでお祭りを楽しんだわけで。
そして最後のラストイベント....花火。
ここのお祭りは花火があるのです。
よく見える河原の方へ向かい、花火を見る。
ゴメンなさい。『誰よお祭りなんて作った人。』って思ってしまってホントゴメンなさい。
今は...スゴく幸せ。
私が悠一郎と座って花火を見ていると....
「名前。」
と呼ばれた。
「ん?」
「キスしていい?」
「え?!」
何を言い出すかと思えばっ!!
「ダメ〜?」
と、スゴくカワイらしい顔で私を見てきた。
そんな顔しないでよ。
「えぇ〜?別にいいけ....ん」
まだ言葉全部言い終わってないのにしてきた。
「ん....んぅ...。」
しかも深いっ!息が続かない...
「んはっ....ゆ...ん...」
あ....離れた。
「ハッ ハアッ」
息遣い荒れてるし。
「あれ?ゴメン。」
いや、もっと反省しろよ!
まだ言い終えてもいないのにしてきたし!
まあ、いいけどさ。
そして、気が付いたら花火は終わってた。
「よし、帰るか。」
「うん。あ、もう歩けるから大丈夫だよ。」
「チェッ そっか。」
チェッて....
クスッ
「ねえ、悠一郎....」
「ん?」
「手、繋いでもいい??」
「へ?....んなの当ったり前じゃん!!」
そうして私達は恋人繋ぎをして帰った。
私の家に着き....
「じゃ、俺帰んね。」
そう言われた。
「うん....」
もう...帰っちゃうのか...今度はいつ会えるかな?
寂しいな。
すると....
ギュウッ
「名前、そんな顔すんなよ。ホントは俺だって寂しい..。
でもさ、毎日メールするし、電話もするからさ。な?」
「うん...うん!!」
「そんで休みになったら絶対会おう!」
「えへへ...いつ休みになるか分かんないけどね〜」
「う゛っ....まあ....うん。悪い。」
「ううん。でも、早く学校始まってほしいって思ってるのは初めて。」
「マジ?!俺も!」
何だか変な話しのやり取りをして、おかしくって笑いあった。
「よっし、じゃあ...俺、帰んね。」
「うん。またね。」
「おう。」
そう言って悠一郎は帰っていった。.....あれ?戻ってきた。
「忘れもん。」
チュッ
「じゃーなー」
「う....バイ....バイ!!///」
最後に触れるだけのキスを残して帰っていった彼。
ほんっとに....心臓に悪いよ!!
だけど、そんな彼が大好きです。
夏祭りデート
((あ〜あ。早く学校始まんないかなぁ〜?))
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