西浦

□私達の幸せすぎる約束
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「孝介!!」

「よう。」

「ど...どうしたの!?こんな時間に...11時だよ!?」

「いや...だって早くしないと今日が終わっちまうからさ。」

「...?...」

孝介の顔をまじまじと見てみる。ちょっと顔が赤かった...と思う。
暗くてよく見えない。

「こうす...

「誕生日オメデト名前。」

「...!!」

「...本当は一番最初に俺が言いたかったんだけどさ、言えなかった。」

「...ううん。ありがとう孝介。嬉しい。」

「...そんで...さ?」

「ん?」

「あの...えぇと...」

「どうしたの?」


見ると孝介は暗くてもよく分かるくらい顔が赤い、というか...すごく照れていた。どうしたのかな?
熱でもあるのかな?


スゥ〜ッと孝介は息を吸い、
真剣な顔で、

「名前結婚しよう。」

と言った。


トクンッ と私の心臓が高鳴る。

「...え...?え...?孝介、私の...あの時の約束覚えて...え?」

「...覚えてるよ。俺はあの時からずっとその約束本気にしてた。」

「う...ウソ...もう孝介忘れちゃったんじゃないかな?って...思ってた...覚えてくれてたんだ...嬉しい。」

私の目からはポタポタと涙が流れ出る。

「...名前に言われたからってだけじゃねえよ?」

「...え?」

「俺も、20歳になったら...その、プロポーズしようと思ってた。」

「...ホント?」

「うん。」


カアッ

「...私、こんなに嬉しいの...生まれて初めて...」

「...で?」

「え?」

「...YesかNoか、答えて?」

「もちろんYesだよ。」

孝介はその言葉を聞いた途端、しゃがみ込んだ。

「え!?どうしたの!?」

「...ホッとした。...メチャクチャ恥ずかしかった。つーか、もうこれで本格的に名前は俺のもの。ってなって、嬉しすぎて...」

「わあ〜孝介がこんなに照れてんの初めて見たかも。」

「て...照れてねえよ!」

「フフッ」

「あ、だけど...まだプロポーズはしたけど、結婚はお預けな。」

「え?あぁ〜うん。」

「名前が大学卒業したらな。」

「ヘヘッ うん。」

そう言って孝介は私を抱き締めた。
...だけど...なんでかな?不安になってきた。

「孝介...」

「ん?」

「...本当に私でいいの?」

「え?」

「...いや、ちょっと...いざ結婚ってなると、いや...まだなんだけど...ちょっと不安になっちゃった。」

すると、孝介は私にデコピンした。

「い゛っ...」

「バーカ。俺がお前を好きなんだし、お前も俺のこと...好き...だよな!?」

「う...うん!!」

「だから、何も問題なんてねーんだよ。つーか、俺がお前のこと、メチャクチャ愛してやるし...さ。」


ドッキン

と、私の心臓の音は高鳴るばかり。

「だ〜!何だ今の台詞!恥ず!!」

照れているあなたを見て、本当に愛しいと思った。

「孝介、大好き。」

「...俺も...大好きだよ。」

そう言った後、孝介が...

「あ!!」 と言った。

「え?」

「コレ。」

差し出された物は、小さな箱...開けてみると...


トクンッ とまた心臓が...

それは、婚約指輪だった。


それを見たら、また一気に涙が溢れた。

孝介にその指輪を左手の薬指につけてもらった。

「孝介...」

「名前...」

私の目から流れ出る水滴をそっととってくれた孝介。


「愛してる。」

「私も、愛してるよ。」


そう言って何度も何度もキスをした。



私達の幸せすぎる約束
(叶えてくれてありがとう。)
(俺のほうこそ。)




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