西浦

□夏祭りデート
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今は夏休み中....。
只今家でゴロゴロしてる真っ最中です。
明日は夏祭りらしい。
でも、私にとっちゃ全く関係ないね。
だってさ〜...私の彼といったらさ〜野球野球でそんなお祭り行ってる暇なんかないっての。
誰よお祭りなんて作った人。

でも....野球をやってる彼が大好き。
いつもは子供っぽいというのに、打席に立ってる時なんかスゴい真剣な瞳でカッコ良すぎだよ。
私は知っているんだから。


なんて、何を1人で妄想しているんだろう私。恥ずかしい。


すると....

  ♪ ♪ ♪


聴き覚えのある着信音....この音楽は...

「悠一郎?!」

(しかも電話!?)

 カチャッ

「もしもし!?」

『おぉ〜名前かぁ〜』

「名前かぁ〜って、悠一郎が電話してきたんでしょ!?」

『ハハッ まあな〜。』

(コイツ...つくづく何なのだ?ま、そこも好きだけどさ。)

「そんで、どうかしたの?」

『おぉ〜そうだ。俺達明日部活休みになったんだよ。ももかんがバイト入れてたみたいでさ〜。』

「そうなんだ?」

『だからさ、夏祭り行こーぜ!』


え?!な...えぇ!?

「なな....何!?もう1回言って!?」

『だから、明日部活休みになったから一緒に夏祭り行こうぜ!』


わ......聞き間違えじゃなかった!

ウソ!?嬉しい!!

「行く!!」

『マジ?!んじゃあ、明日夕方5:00に名前の家に行くから、あ....あと、浴衣でお願いします!』

「うん!浴衣ね!分かっ......へ?!浴衣!?」

『当たり前じゃん!!夏祭りっていったら浴衣だろ?!』

「わ、分かったよ〜」

『よっしゃ!じゃあ、よろしくな!明日迎え行くからさ。』

「うん!!」

『また明日な』

「また明日ね〜」



そうして電話を切った。


ウッソ!!やった!!久しぶりのデートだぁ〜
そだ、浴衣出さないとだね!


そうして私は仕舞ってあった浴衣を出した。
その浴衣は紺色で花柄の模様だ。
正直、私には大人っぽすぎる。
貰った物だからなぁ〜....。

ま、いいかな。明日は大人っぽくきめてみよう!うん。



.....明日が楽しみすぎて中々眠れなかったのでした。


ー次の日ー


「よぉし!準備出来た!」


すると、私の母が....

「あら、名前....お祭り行ってくるの?」

「うん。デートなんだぁ〜」

「いいなぁ〜私もそんな頃があったな〜」

「お母さんも行ってくれば?お父さん今日休みなんだし。」

「ううん。お父さんね〜....動こうとしないから。」

「あ、そっか。」


すると.....

ピンポーン

「あ!!来たかな?!」


私は玄関へ行き扉を開けた。

 カチャッ

「はいは〜い」

「よお!名前、久しぶりだな!」


 パアッ
「うん!悠一郎!!」


そう.....久しぶりなのです。野球部はほぼ毎日部活なので。
大変そうだけど、でも楽しそうにやってるからいいと思う。

「悠一郎君こんにちは。」

と、うちの母。

「こんにちは。名前借りますね。」

「どうぞ!お好きなように。」

「ちょっ....お母さん!!」


そう。うちの家庭は基本、彼氏とか大歓迎なのでスゴく助かる。
お陰でうちではオープンなのだ。


「じゃ、行こっか。」

「うん。行ってきます。」

「行ってらっしゃい。」


そうして私達は夏祭りへと出掛けた。
.....あれ?そういえばまだ5:00になるまで時間がある。
早めに準備終わったからいいけど.....何か来るの早かったなぁ〜。


そうこう考えていると....

「浴衣....」

「ん?」

「浴衣すんげ〜似合ってるぞ!可愛い!!」

 ドキンッ

「あ...ああ...ありがとう....。」

そんな笑顔で言わないでよ。
う、嬉しいけど///
照れるよ。

「ん?名前どうした〜?」

「なな、何でもないよ!!あ、それより悠一郎!うち来るの早かったね!!」

「お〜....うん!名前に早く会いたかったからさ〜」

悠一郎は笑顔でそう言った。

さっきから、私のツボばっかりだ。

「何から行く〜?」

と言う彼。

もう既にお祭りの会場に着いていたことを知る。

「あ〜えっとね〜あ、射的だ!あ、あれ可愛い。」

「ん?どれ〜?」

「ほら、あの小さいクマのぬいぐるみの.....」


.....って、私子供?!この年でクマのぬいぐるみとか!!

「悠一郎、やっぱいいよ〜」

って、既にもう射的の場所にいるし!!

「悠一....」


 パンッ

「おぉ〜お兄ちゃん上手だね〜」

と、屋台のおじさん。


い....一撃で仕留めた。
う......カッコ良すぎだよ。スポーツだけじゃなくてこういうのも得意なんだ?!勉強はまるっきしダメなのに...。

「ほい。とれたよ。コレカワイイな!」

「ありがとう。」


ホント....悠一郎はカッコ良すぎだよ。


「よっし!じゃあ、次行こ!次!!」

「うわ!!待っ....!」


 グキッ


「いっ....たぁ〜...」


しまった。下駄履いてたんだった。いつもの調子で歩いちゃった。

「あれ?」

え....はぐれた。悠一郎がいなくなっちゃった!!
捜さないと!

「う゛....」

(捻っちゃったかな。マズい。どうしよう....)


「そこのお姉ちゃん大丈夫〜?」

と...声を掛けられた。
何?何なの?この人達。

「立てなくなっちゃったぁ?お兄さんがおんぶしてあげようか〜?」
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