西浦

□不安になんなくてもちゃんと好きだから。
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「ねえ、孝介〜」

「なんだよ名前。」

「...なんでもなぁ〜い。」


?何だ?コイツ。ここ最近そればっかじゃねえ?

そう。最近のコイツは、

「ねえねえ、孝介〜」

「何?」

「何でもなぁ〜い。」

がほとんど。

つーか、毎日必ずこのやり取りしてね?何だよ。
因みに俺達は別のクラスで、名前は野球部のマネージャーをやっていることから、意気投合し...俺が告られて付き合い始めた。
つっても、わりと友達のような感じで付き合ってはいるのだが...。


今は昼休み。一緒に外でお昼食べてる途中...。
外でって...何か変?

「ねえ、孝介ってさぁ〜」

「あ?」

「...や...やっぱいいや!!」

...何なんだっつのさっきから、つーか前から。

「なあ、言いたいことあるならちゃんと言って?」

「な、何も...ない!!」


三橋みたいな喋り方すんなよ。
あ、俺に背向けて弁当食い始めた。コノヤロ。
グルンッと俺はコイツを俺の方に向け、コイツの持っている弁当を取り上げて、コイツが効くという脇腹をくすぐる。

「キャッ ハハハハ!!」

「ひでぇ笑い声...。」

「うるさ...や...あはははは!!や...やめ...あははは!!」

「今言いかけたこと言ってくれるんなら止めるけど?」

「い...言いますぅ〜言いますから゛ぁ゛〜!!」

「よし。」

パッと俺はコイツをくすぐるのを止めた。

「う゛あ゛〜...つ...疲れたぁ〜!!(笑いすぎて)」


ハアハア言ってるし。そんなに効くのか。俺もだけど。

「で?お前、何言おうとしてんの?いつも。」

「いつも?あ...あ゛う゛〜言わなきゃダメ??」


う゛...そんな上目遣いすんなし。クソッ

「ダメ。言わねーとまたくすぐるぞ?」

「それはイヤ。」

「じゃあ、言えよ。」

「え...えっとさぁ〜...?」

「ん?」

「孝介ってさぁ〜?私のこと...好き?」

「は?」


ま...また上目遣いを。それ止めてくれねーかな。こっちが限界。
可愛すぎ。

チッ 虐めてやる。

「さあ、どうだろうなぁ〜」

「!?え...?私のこと...好きじゃない?!」

「...まあ、ぶっちゃけお前バカだし〜変な笑い方するし、うるせーし〜」

「.......。」


あ、無言になった。ちょい言い過ぎたかな?わざとだけど。

「ま、好きか嫌いかで言ったら好きだけど。」

「う゛...そうなんだ...。」


泣く...?コイツの泣き顔好きだったりしちゃう俺。
でも、それ以上に...コイツの可愛い顔を見ることになってしまうだなんて...。

「私のこと...嫌い...?」


...と、ちょっと潤んだ瞳...シュンッとしながら言っていて...

ヤベェッ

「...好き。」

折れた。 こんなん言わねえほうがおかしいだろ?

「ホント??」

今度はコイツが驚いたようで、でも嬉しそうな顔で俺の方に身を乗り出してきた。

...可愛い奴。


ふいにもコイツを引き寄せて、優しく抱き締めた。


「不安になんなくてもちゃんと好きだから。」

と、コイツの耳元で言ってやったら、一気に顔を真っ赤に染めたコイツ。
そんなお前を愛しく思って、優しく唇を重ねた。



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