西浦
□時々見せるカッコよさ。
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「千代ちゃん!!」
「へ??」
「私、三橋君のことが好きになっちゃった...みたい。」
「え!?」
私が突然言い出したことはこの一言。
気付いてしまったこの気持ち。
私達は一緒にマネジやってて仲良しです。だから、うん。ご報告中...。
因みに今は昼休み中。私が7組にお邪魔してます。
今日は一緒にお昼食べてる。
で、恋バナ突入。
「三橋君のどこを好きになったの?」
「え?えぇ〜と...ね?な...なんかカワイくて、時々作るあのひし形の口とか...め...目とか...?」
(...。名前ちゃん...それ...いいのかなぁ?)
「ほ、他には?」
「他...?えっと、そう...いつもオドオドしてるけど、しっかり自分の意志を持ってて、結構真っ直ぐなんだな...って...。」
カア〜ッ
な...なんか恥ずかしいぞ...。
「フフッ」
「へ?な...何?千代ちゃん。」
「名前ちゃんの三橋君の話ししてるときの顔がスッゴい乙女っぽくてカワイイなぁ〜って。」
「...そう?」
「うん。もっと自信持っていいと思うよ。私も協力するし。」
「千代ちゃ〜ん!ありがとう!!」
私は思いっきり千代ちゃんに抱き付いた。そしたら頭なでなでしてくれた。
〜そして放課後〜
部活...三橋君に少しでも多く話し掛けないと!!
何故だ?緊張してきた。好きな人と話すのはまた別なんだよなぁ〜
千代ちゃんと一緒にグラウンドに向かったら、みんながグラウンド整備していた。
そっか。今日は朝方雨降ってたもんねぇ〜...朝練は出来なくて、1時間目あたりに止んだという。
...三橋君、田島君と一緒に遊んでるし...。ヘヘッ なんか子供みたい。
「名前ちゃん、特にやることないから、グラウンド整備手伝ってこよっか。」
「うん。そだね!!」
私達が手伝いに行ったら、
「おぉ!!苗字!!篠岡!!手伝ってくれんの!?」
と田島君が。
「うん!!暇だから!!」
と私。
「何かやることある?」
と千代ちゃん。
「じゃあ、篠岡!こっち来て手伝ってくんない?」
と水谷君が。
「苗字はこっち!!」
と田島君が私の手を引っ張った。
9組メンバー+阿部君と花井君もいる。
すると...
「苗字さ...ん。」
ドキッ
三橋君。
「ん?なに??」
「そ...そこ...滑りやすい...から、こっち来たほうが...いい...よ?」
そう言って私の手首を掴んで引き寄せられた。
え?三橋君、力強...
ツルッ
「ひゃ!?」
す...すす...滑っ...
ポスッ
(え?今何が起こ...)
「ご...ゴメン!!お...俺が勝手に...ひ...引っ張ったせい...で!!け...怪我ない!?」
ドックン
(わ...わ...わ...)
私が三橋君に引っ張られた場所が本当にすごい滑る場所で、そこでツルッてなって、気付いたら...三橋君の腕の中...。離れたくない...けど、いつまでもこんなのは不自然だ。離れなくちゃ。
「三橋君、ありがとう!助かったよ!!」
そう言って私は三橋君の腕から抜ける。
めちゃめちゃドキドキした。
チラッと三橋君の顔を見てみると、顔が赤かった。
き...気のせい...かなぁ?
ていうか、力...強かった。意外...だな。
ドキドキと私の心臓の鼓動はただ速いまま...。
「い〜なぁ〜三橋ぃ〜!!」
「うえ!?」
「俺も苗字のこと抱き締める!!」
「へ?!」
「おい田島!!」
何か...田島君が今、とんでもないこと言ったよ?
そしてそれを止めようとする泉君。
三橋君オドオドしてる。
すると...いいタイミングで...
「あら!!グラウンドいい感じになってきたわねぇ〜!!じゃあ、そろそろ練習しましょうか!!」
と、監督が...た...助かった...のかも?
みんながグラウンドを走ったり、体操が始まる前に急いでスポーツドリンクを持ってくる。
それから、おにぎりを作ったりと、色々なことをする。
おにぎりは部活が終わった後に配るから、何もすることないかなぁ?他は。
「名前ちゃん。」
「うん?」
「さっき見てたよ。三橋君に抱き止められたところ。」
「あ...あはは...」
「どうだった?」
「う...ど...どうって...なんか...やっぱ...三橋君も力...強いんだ...って。」
カアーッ
ああ...ダメ。恥ずかしい。私、これが初恋だから...どうしていいか分かんないや。普通になんとも思ってない人なら話せるのに...好きな人じゃ...全然話せないし...。
ダメだなぁ〜もう。
「名前ちゃん、そんなに焦んなくって大丈夫だよ?ゆっくりゆっくりやっていこ?」
何かを察した千代ちゃんは私にそう言ってくれた。
千代ちゃん...流石です。
そして...部活が終わり、おにぎりを配る。
「これが泉君。」
「サンキュ。」
「これ田島君。」
「あんがと苗字!!」
「これ阿部君。」
「ども。」
「これ、三橋君...。」
「あ...ありがと...」