西浦

□愛情表現
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「苗字〜!!」

ボスッ

「ひゃ!?」

授業が終わった途端私に抱き付いてくる同じクラスの田島。
えぇと...この展開は...?

「今の授業、ぜんっぜん分かんなかった!教えて!!」

「はあ!?イヤだよ!そんな毎日毎日田島に勉強なんか教えてる暇ないんだから。」

私だって色々やらなくちゃいけないことがあるんだから...とか言いつつ...

「えぇ〜...教えてくんねーの?!」
と、カワイイ顔して言う田島にやられる。

「もお!分かったよ!ほら、教科書開いて。」

「やったぁー!!」


なんていうか...私達は席が隣で、どうやら...懐かれてしまったらしく...いつも勉強教えたり、抱きつかれたりの繰り返しである。

すると、同じクラスの泉君が寄ってきた。

「...田島、お前また苗字に勉強教えてもらってんのな。」

...と、ちょっと呆れ顔。だって...田島、授業中は何故か私のことをジーッと見ているのだ。それか寝てるし。
正直怖い。なので...授業真面目に受けてないのです。
いや、ジーッと見ているって言ってもイヤらしい顔してるわけではないのですが...

って...なんだよイヤらしいって。

「だって、苗字の教え方、うまいんだもん。先生のじゃわけわかんねーし。」

いや、あのね?あなた先生の話全く聞いてないじゃありませんか。先生のせいにするなよ。

ていうか...

「ほら、さっさとやるよー」

「ほぉ〜い。」


「んで、ここはこうで...って...ちゃんと聞いてんの!?」

「ん?おぉ。」

「・・・・・。」


なんっか...すんごい田島から視線感じるよ。

「...あのねぇー...もう休み時間終わるし、勉強しないならさっさと自分の席に座っててよ。」

「えぇ〜いいじゃん。隣なんだから。」


ハアッ

正直、田島の性格は苦手だ。だって...何考えてんのか分かんないんだもん。

「なあ、苗字。」

「何?」

「お前さ、好きな奴いる?」

「な...


キーンコーンカーンコーン

とってもいいタイミングでチャイムが鳴った。

「じゃ。」

『じゃ。』って隣じゃん。え?え?なに...今の言葉...めちゃめちゃ真剣な顔だったような...。

気のせい...かな?

次の授業のときには田島は寝ていた。
やっぱり、気のせいだったのかな?

ー昼休みー

「お腹すいたぁー」

「苗字〜一緒に食おうぜー」

...お昼ぐらい私を自由にして下さい。お願いだから。
...とか思いつつも...




ー屋上ー

同じクラスの泉君、三橋君、浜田君も一緒にお弁当を食べ始める。

「「「うまそー!!」」」

と言う、田島、三橋君、泉君。
野球部の定番語だね。流行語かな?

「「「いただきまぁーす!!」」」

あれ?そういえば..今日は早弁しなかったんだ。今更だけど。

「いただきます。」

パクッと食べ始めた...

その時...

「苗字、そういえば、さっきの質問の答えはぁー?」

と、田島。

ムグッ

「苗字!?」

と泉君が驚き、

「苗字さん!?」

三橋君は戸惑い、

「苗字大丈夫か!?」

浜田君は背中をさすってくれた。



「ゴホッゴホッ はあ...」

私は...

「田島!ちょっと来て!!」


険悪な顔をしていただろう自分の顔。
まあ、その顔で田島と2人になれる場所に向かう。

屋上に残された3人は...

「え?何だったんだ?今のは...」

と泉。

「田島君、連れていかれちゃったね...」

と三橋。

「あの2人ってさ...わりとお似合いだよな。」

と浜田。

「「うん。」」

と納得する2人。




ーその頃 資料室ー


「ハアッ もう、田島場所を考えてよね、場所!!」

「え?あ、つーことは...もしかしていんのか?」

「い...いないけど...」

いや、本当にいないんだけど。だけど、こう...男4人の中でそんな話振られると...ちょっと...ねえ?


「...ていうか、田島こそ好きな人いるんじゃないの!?」

「え?いるよ。」

「へえ〜...?」

いるんだ。ちょっと意外。
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