<イレギュラーハンターベース跡>
廃墟と化した無人のベース内、薄暗がりの中でゼロは巨大なコンピュータに向かって叫んだ。
ゼロ『くそ!!』 『エックスに関するデータは一切極秘だとっ!?』 『なんとかあいつの最強装備のありかを‥‥‥』 『?!』 『俺のバスターが急に光を‥‥!! これはいったい!!』 『!?』 巨大なディスプレイに次々とコンピュータ基盤の光線が走る。 ゼロ『コンピュータが目覚めた!!?』 『!?』 謎の老人の立体映像(ライト博士) 《ポイント Z−O−R−X[ゼットオーアールエックス] ポイント Z−O−R−X》 大戦闘機が発進する。操縦桿を握るゼロ。 <ポイント Z−O−R−X そこが仮に地獄だとしても‥‥> ゼロ『俺はそこへ行く!!』
<ポイントZ−O−R−X タイドロー空港>
空港も、爆撃を受け破壊されていた。まだ煙が上がっているところもある。 あちこちに転がるレプリとメカニロイドの残骸。
ゼロ『地獄と大差ないところだぜ‥‥』 <いったい何が‥‥> 突如ゼロめがけて空から降ってくる人影。 ゼロ『なんだ!?』 『え!!?』 回避したゼロの足元にどさりと落ちたのは、 ゼロ『エックス――――――っっ!!』 『しっかりしろ!!』 負傷し意識を失って倒れているエックスに駆け寄るゼロ。 高い所に立ってそれを見下ろしている人影がある。鷲型のレプリロイドだ。 ?『風の噂では倒れた仲間にかけよる人情など捨てたときいていたがな‥‥』 ゼロ、嬉しそうに顔を上げる。 ゼロ『そ‥‥その声はまさか‥‥』 『お前か‥‥‥本当に‥‥お前なのか‥‥』 『イグリード‥‥』 駆け寄るゼロ。 ゼロ『イグリードーッ!!』 ゼロの足元に一撃。イグリードがバスターを放ったのだ。 ゼロ『‥‥‥』 イグリード『手をとりあって再会を喜びあうつもりか』 銃口をゼロに向け、イグリードは冷淡に言い放った。ゼロの表情が曇る。 ゼロ『やはり“あの事”で俺を‥‥ 恨んでるのか?』 イグリード『男のおしゃべりはみっともないな』 ゼロは倒れているエックスをかばうように立っている。 イグリードはバスターを構えた。 イグリード『俺はそいつ[エックス]を処分する まきぞえをくわないうちにどけ!』 ゼロも同じく腕をバスターに変え、イグリードに向かって構えた。 ゼロ『エックスは破壊[や]らせない こいつは“希望”なんだ』
バスターを突きつけ合ったまま睨みあう二人。直後、発光。
ヘッドパーツが砕け散り、解けた金髪が舞う。 頭部を直撃され、ゼロは額から循環液をほとばしらせて倒れた。 イグリード『‥‥‥』 『ふん‥‥』 イグリードはきびすを返す。 イグリード『イレギュラーを射[う]つのに一瞬でもためらうハンターなど二流以下だな』 ゼロ『まってくれ‥‥』 『イグリード』 <――イグリード‥‥> イグリード『俺はΣ[シグマ]についた それだけだ』
視界がぐにゃりと歪む。 ゼロの意識は闇に沈んだ。
(回想シーン始まり)
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