未来都市。次々と襲い掛かるイレギュラーが片っぱしから破壊されていく。 一瞬のち、イレギュラーも都市も全て消え、無機質な空間だけが残った。
《ターゲット オールダウン》 《バーチャルスペース解除》
<イレギュラーハンター訓練生 ゼロ> ゼロ(こんな訓練より はやく実戦に出してほしいもんだぜ) 取り巻きたち『ゼロはすげえよなぁ〜』『ランクDをああも簡単にクリアすんだもんな』 ゼロ(俺はアイドルかよ‥‥) 取り巻きに囲まれて内心うんざりしていると、向こうのほうでも取り巻きに囲まれたレプリが取り巻きたちを怒鳴りつけている。 イグリード『人におべんちゃらをいうひまがあったらトレーニングでもしろよ』! ゼロ『誰だあいつ?』 取り巻き『え? あ―― S[ストーム]・イグリードですか?』 『あいつはB組[クラス]のS・イグリードですよ! B組じゃ常にトップ独走らしいですよ』『話じゃ彼もランクDのV・T[バーチャルトレーニング]をオールダウンしたって‥‥』『うんたらかんたら』 イグリード(ん? あの長髪は‥‥)(A組のゼロとか‥‥) ザッ、と取り巻きを離れ、まっすぐこちらに向かって歩いてくるゼロ。イグリードもザッ、とゼロのほうへ向きあう。そして、すれちがいざま、 イグリード『おかまやろう!!』 ゼロ『鳥ガラ!!』 キレた二人、廊下の真ん中でバスターを発現させ、あわやつかみ合いになりかける。 イグリード『やるか―――っ!!』 ゼロ『俺のバスターのチリになりてーか!?』 取り巻きたちが慌てて二人を押さえている。
逃げる強盗レプリ、空から追うイグリード。 イグリード『にげきれんぜ! 銀行強盗さんよ!!』 強盗『ちっ なめるなよ! この金を使わずにやられっかよ!!』 強盗、ランチャー砲を大量射出。 イグリード『なに?/やられる!!!!』 とっさに頭をかばうイグリード。大爆発。しかし、ランチャーの弾は何者かによってすべて弾かれていた。 ?『金は返しちまいな!』 強盗『ひっ』 飛び掛かる影。ゼロだ。 ゼロ『警察じゃ貯金はできねぇからな!!』 ものすごい鉄拳で強盗をぶっ飛ばす。強盗はひっくり返ってノックアウト。 ゼロ『手間かけさせやがって』
イグリード『いや〜めんぼくない!』 ゼロ『これで助けたのは十七回だぞ』 イグリード『俺だって十四回助けたろ』! ゼロ『三回も多いじゃねーか 三回死ねるかテメー』 女性『ケンカはやめなさいよ!!』 イグリード『あ』 ゼロ『?』 黒髪のセミロングの綺麗な女性が、にっこりと微笑んでゼロに話しかける。 女性『ゼロさんですね イグリードから話はよく聞いてます!』 『私はティル これでもハンターなんですよ』 ゼロ、イグリードの肩にぐいと片腕を回して頭を押さえつけ、内緒話。 ゼロ『彼女いったい何者だよっ! ま‥まさか‥』 イグリード『彼女は“彼女”さ‥‥てれるな』 イグリード、顔を赤くして照れている。ゼロはニヤニヤ。 ティル『あの〜 どうしたの?』 ゼロ『俺たちの“勝負”にケリはまだついてないよな』 イグリード『恥の上塗りになるぜ〜』
<北極経由017便にハイジャック発生! 女性型警備用ハンターが敵の手におちたもよう‥‥> <各イレギュラーハンターは速やかに現場に直行せよ!!>
飛行中のハイジャック機の中で、イレギュラーの手下のロボットが話し合っている。 A『あのアマッ子みてこいよ』 B『OK OッKェ[オッケェ]』 別室。中ではティルがコードでグルグル巻きに縛られている。 B『おとなしくしてっかあ?』 『まっ 動けるわきゃねーかぁ!! その特製コードはレプリロイドの機能を麻痺させっからなぁ』 ティル、不敵に微笑む。 ティル『残念ね』 B『なに!?』 ティル『この計画は失敗よ! 最強のハンターが必ず来るわ』 『特A級の最強コンビのハンターがね!!』 ゼロの両手を両手で持ってぶら下げて、イグリードがハイジャック機のあとを追っている。 高度は数千メートルなのに、無茶な飛び方だ。イグリードはカッカしていた。 イグリード『ティルの警備する機をのっとるなんて許せねぇ』 ゼロ(気の毒な犯人‥‥) ゼロはぶら下げられたままやれやれと肩をすくめる。 ゼロ『お前は外で待ってな まったく‥‥』 イグリード『なにー 中にはティルが‥‥!!』 ゼロ『だからさ! 今のお前は平常心をなくしてる それが命取りになりかねん!!』『な!』 念を押す。 イグリード『‥‥‥』 『頼むぞ‥‥』 ゼロ『まかせとけよ!!』 ゼロはピッと親指を立てた。
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