銀河を駆ける猫

□船内案内。後編
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リコ「あ、あの…、ランティさんとシラナミさんはお知り合いなんですか?」


カズヤ「知り合いも何も…料理学校の同期さ!うわー!お前がシェフなのか!?そりゃうまい訳だ♪」


…そういえばカズヤって軍人になるまではお菓子職人だったんだっけ?


ランティ「デザートでは、お前に一歩譲るがな。
しかし、まさかこの船に乗ってくるとは…、厨房に誰か配属されるなんて聞いてないし…一体どこに?」


カズヤ「エンジェル隊さ。」


カズヤが答えるとランティは驚いた様に口を開いた


ランティ「エンジェル?って売ェ何!?エ、エンジェル隊!?
そんなバカな!お前は俺を騙し続けてたのか!?」


カズヤ「はぁ!?騙す?」


カズヤはランティの言ってる事が理解できずに聞き返した


ランティ「…まさか女だったとは…最初からそう言ってくれれば……」


『売ェえぇ!?カズヤって女の子だったの!?酷いわ!!ずっと私の事騙してたのね!!』


ランティ「Σーっ!!」


カズヤ「アホか…男に決まってんだろ?
それでもエンジェル隊に選ばれたんだよ!
…っていうかー

ランティ「どけカズヤ」

Σーえっ…うわっ!?」


ランティは話の途中でカズヤを押し退けると、そのまま俺の目の前にやって来た。


『………………………;』


ランティ「こ、こんにちは…!あの…お名前を聞いでもいいかな?」


『え…ルキ•神谷だけど…。』


ランティ「ルキ•神谷…なんて素敵な名前なんだ♪」


『あ、ありがと…;』

突然名前を褒められたことに少し戸惑いながらもお礼をを言うと、ランティは笑顔から急に真剣な表情で俺を見てきた。


ランティ「ルキッ!」


『Σーは、はい!』


ランティ「今日初めて会ったばかりだけど…好きだ!俺と付き合ってくれっ!!」


リコ「Σーえっ!?」


カズヤ「Σーはぁ!?」


『…はい?』

…えっと…今俺、この人に告白された…?

カズヤ「おいおいランティ!お前なに言ってー」

ランティ「カズヤは黙ってろ!これは俺とルキの問題だ!
それで…返事を聞かせてくれないかな…?」

そう言うとランティは不安と期待の入り交じった目でまっすぐ俺を見つめてきた…


『えっと…その、まずは告白してくれてありがと…。
でもその…ごめんなさい…その告白には応えられないかな…;』


ランティ「そんな……やっぱり、初対面だからか…?」


『いや…初対面とかじゃなくて、性別的に…俺、男だし…男色家でもないからさ…;』


ランティ「…………は…………?」


俺がそう言うとランティは呆気にとられた顔をして間の抜けた声を上げた…。


リコ「…………………………;」


ランティ「え…今…なんて、言ったの…?」


カズヤ「だから…ルキは一見そうは見えないけど、ボクやランティと同じ性別…男なんだよ…;」

『………………………;』

カズヤ…説明はありがたいけど、一見そうは見えないけどってのは余計だし地味に傷つく…;


カズヤがそう言うとランティは驚いた様子で俺を見た。


ランティ「売ェえ?この子…男なの……?」


そして…ゆっくりと振り返りリコやカズヤにそう問いかけた。


リコ「そうらしいです…;」


カズヤ「男だよ…;」


『はい…男です…なんなら確かめてみる?』

そう言って俺は上着に手を掛けた。










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