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連載物です。


1.2はこちらですw


「熱3」



「苗床大丈夫か??
 しんどくないか??」


コレで何度目だろう。


休み時間の度に言われる言葉。


まるで母親のような彼が
おかしくてクスリと笑った。


午前の授業が終わった二人は
食堂の、校庭が見える窓際の隅っこで
お昼ご飯を食べている。


その一角に、熱い眼差しと
敵意を送る者達の異様な熱気に
食堂は包まれていた。


宝校のアイドルと地味系女子との
ランチタイムに興味津々な面々。


嫉妬と羨望、入り乱れる感情。


誰が誘っても
お昼を一緒に食べないと言うのに・・・。



(((なんでいつもあの子なの?!)))

(((なんでいつもあいつなんだ?!)))


数多の心の叫びがつい洩れて、
その場の温度が2,3℃上がった。









「気分悪くないのか?
 っていうかご飯ちゃんと食べろよ?」


そんな周りのことなど
気にも留めずに相変わらず、
しつこいように問うてくる椿。


申し訳程度に手をつけた
ご飯を指差し食べるように促す。


「もうお腹一杯だって!
 十分だから。」


「全然食ってないだろうがっ!!
 倒れんなよ。」


本気で心配している彼が
珍しいなと思いながら
ふと今朝の言葉を思い出す。


(“何があっても知らない”
 と言い切ったのにな〜〜椿君。
 珍しいこともあるもんだ。
 明日台風かね〜??
 結局何だかんだ言って
 心配してくれてるんだ。
 まあ友達だったら心配するか・・・。)


友達という言葉の意味に
最近ようやく気付いてきたかのこは
心でそう思った。


「私は大丈夫だって。
 椿君こそ大丈夫??
 何か椿君から心配されると
 そっちこそ熱が出たのかと
 こっちが心配になるよ。」


にひひと笑うかのこに
呆れた眼差しを向ける椿。


「お前の中の俺の認識は
 相当悪いな・・・。
 俺は鬼かよ!!」


「そんなことないよ。
 いつも王様って言ってるじゃんか。
 主役の申し子だよ。」


「お前そのフレーズ好きだな・・・。
 俺はそんなつもりなんて無いのに
 周りが勝手にそう言ってるだけだから。」


つまらなそうにはあと溜息を吐いた。

「周りを巻き込むって事が
 すごいんだって!
 それが王様の力、求心力なんだよ。
 将来政治家にでもなれば??
 ポスター一枚だけでも
 きっと当選するよ。」


「俺メンドクサイの嫌い。
 っていうかポスター一枚で当選って、
 そんな国ヤバイだろ??」


「そーかなーありだと思うけど。
 それに面倒とか言ってるけど
 意外とちゃっかり仕事しそうだし。
 その時は私が選挙事務所の
 スタッフになるから。」


にこりと言われたその内容に
政治家も良いかもと思ってしまう椿。


(苗床と一緒だったら
 なんでもいいか・・・。)





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