短編部屋

□まるで魔法
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休み時間。
友達と話しながらちらっと盗み見る彼の横顔。


今日もあの人はいつもと同じで沖田君にちょっかいかけられてたり、土方君にパシられてたり。
いつも大変そうな山崎君だけれども、彼のたまにみせる笑顔はとても優しくて。


そんな貴方にわたしは惚れました。



彼が溜め息を吐いて席に着くと、たまたま山崎君と目があった。

私はどうしたらいいのだろうとあたふたしていると山崎君はにこっと笑みを向けてくれる。


胸がきゅんっと狭くなるように感じた。
私もにこっと笑顔を返し友達の方に視線を戻す。

どうしよう、目が合うなんて初めてだよ。
すっごく胸がきゅんってするの。胸に手を当てると鼓動がドキドキといつもより早い。なんだかほっぺたもじわじわと熱くなってきた。


あぁ、わたしこんなにも山崎君のことが好きなんだ。


落ち着かせようと両手を自分の頬に当てる。駄目みたい、当分このまま熱を帯びているかも。それに何だか心が舞い上がっちゃって全然落ち着けないよ。


初めての体験に混乱する私。つまり、彼が私の初恋ってやつで……たった今初めて恋愛って何なのかほんのちょっとだけ分かった気がする。



キーンコーン、カーンコーン――。



授業が始まっても私は落ち着きがなくって、どこかそわそわした感じ。

あぁ、何だか視界に入るもの全てがキラキラして見える。
これも山崎君に恋したからかな。

とりあえず、板書はとるものの頭の中にはやっぱり山崎君がいて。
私はもう末期症状なのかもしれないと思う。





でも、恋をした女の子ってみんなそうじゃない?


まるで魔法


にかかったみたいに



恋をすれば誰だって

輝くものなのよ








さてと、私もこの想いを彼に伝えなくちゃ。

キーンコーン、カーンコーン――。

チャイムが鳴ったと同時に立ち上がり山崎君のもとへとかけていく。



「山崎君!あなたのことが大好きですっ」




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