結界師
□青空ライフ
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この上ない青空の中、アイツとの時間がまたはじまる
青空ライフ
「む、先客か?」
心地良い風が吹く中、授業は式紙に任せて昼寝を、と思った墨村 良守は屋上へと足を急ぐがどうやら1人の少年がいたようだ…。その少年は髪の毛が立っていて、一部の女子に人気がある妖交じりの志々尾 限だった。気持ちよく寝ている志々尾を起こすのも悪いと思い、良守は「お昼寝用最強結界」を張りさっそく眠りにつく、
2人の男子生徒が思い思いに寝る屋上―…
そこには2人の少年に連れられ風も足を運ぶ。
少し日が経ち、肌寒くなったのか、良守より志々尾が先に起きる。良守を起こそうかと思うが、学校の下校時刻はまだ来ていないな、と思い。しばらく良守を眺める事にした。
『それにしても、こいつはあの頭領と兄弟なのだろうか』
責任感溢れる良守の兄、墨村正守に比べクラスの問題児といった感じで扱われる良守とは似ても似つかないものだった。現に、良守の今の寝顔を見ると汚れを知らない純粋な子供そのものだった。全ての物…自分までを否定し、憎しみで作り出す術「絶界」を使う正守とは正反対だった。
そんなことを考えていると
キーンコーンカーンコーン
と、学校の下校時刻のチャイムが鳴った
さすがに、起こしてやろうと思い、良守を起こす事にした
「おい、もう下校時刻だぞ」
「んー…もう、そんな時間かぁ…ふぁ、」
「あほ」と言う言葉がぴったり合うあくびをすると、帰る用意をしようと、教室に戻ろうとする
「志々尾ー、帰らねーのか?」
下校時間が来たというのに、一向に屋上から動こうとしない。
「もう少し空を見るからいい。」
「そーか。」と軽く返事をしていそいそと教室へ向かう。
あいつとの時間が1番長いこの青空の下の時間
何も話さなくても、互いを理解できる程のこの空間
この毎日の「青空ライフ」を大事にしようと思った。
そんな真夏日の事だった。