Story
□残酷な現実
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愛する人に背を向け、
私は立ち去る───
「待って!…っ行かないで瑠可!」
悲しさと困惑した表情で私を追ってくる美知留
「どうして?…どうして瑠可はひとりになろうとするの?」
私の腕を掴んで必死に問う
「別に、ただひとりになりたいと思っただけで───」
「違うよっ…瑠可は逃げてる!一体、何から逃げてるの?…私、から?」
その言葉を聞いて漸く振り返り
「…もう放っておいてくれよ!私は…あんたと一緒にいると苦しいんだよっ!」
美知留の腕を振り払い、激しい口調で感情のままに言ってしまった
「…瑠…可…?」
かなりのショックを受けたのだろう
美知留の表情は衝撃と悲しみで満ちていた
そしてあなたのその表情は、
私の心をひどく傷めさせた
「…っ」
そんなあなたの顔なんて見ていられるはずもなく、
私は逃げるように駆け出した───
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