Story

□好きな人
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もう日も暮れ、シェアハウスでは
美知留、タケル、エリ、おぐりんの4人が楽しそうに話していた


その頃、瑠可はモトクロスの練習場へ出ていてまだ帰っていなかった


「やっぱり男は頼りがいがある奴じゃなぃとね〜」


エリがおぐりんの方を見ながら言った


「それって俺に頼りがいがないって言ってるんでしょ!?」


おぐりんはエリの言葉に反応した


「それはどうだか?」


「だって見てたじゃん!」


おぐりんはエリを指差して言った


「その点、タケルなんか優しいし、まさしく頼れる男だよね」


「そうかなぁ?」


タケルは照れくさそうに頭を掻いた


「うん。タケルくんは優しいし、いい人だと思う」


美知留が微笑みながら言った


「やっぱり俺は頼りない男なんだ・・・」


おぐりんはさらに落ち込んでいる様子だ


「あ・・・おぐりんも、もちろんいい人ですよ?」


美知留は慌てて言った


「・・・美知留ちゃん、なんて君はいい子なんだ」


おぐりんは片方の手で目尻を押さえた


「美知留ちゃんはどういう人がタイプ?」


エリが聞いた


「私は・・・、私のことを好きでいてくれて、大事にしてくれる人・・・かな」


美知留は少し恥ずかしそうに答えた


「カワイイなぁ、美知留ちゃんは」


おぐりんが言った


「美知留ちゃんなら、絶対いい人に出会えるって」


タケルが言った


「そうだよね。って、そういうあんたはどういう子がタイプなわけ?」


「お、俺?・・・俺は───」


3人の注目がタケルに集まる


「・・・自分が好きだって思った人」


「やっぱタケルだね」


「それどういう意味・・・?」


「そのまま」


「・・・」


タケルは小難しそうに首を傾げた


「あ!ねねっ、そういえば瑠可のタイプってどんなんだろ!?」


エリが今まで以上に興奮しながら言った


「そういえば、瑠可のそういう話とか聞いたことないかも・・・」


美知留が言った


「へぇ〜、長年一緒に過ごしてきた美知留ちゃんまでもが聞いたことないなんて・・・」


おぐりんが珍しそうに言った


「まぁ瑠可はね、そういうキャラじゃなさそうだし」


エリが腕を組みながら言った


「・・・そろそろ瑠可帰ってくる時間じゃない?俺、ちょっと外出てるわ」


タケルはそう言いながらその場を立ち、玄関の方へ出ていった


「タケルくん、出待ち?」


おぐりんはタケルが出ていった所を見つめた


「もしかして、タケルのタイプって瑠可だったりして〜!」


「タケルくんが?」


美知留は少し真剣な顔で考えた


「はははっ、美知留ちゃん真剣になりすぎ!」


「そう?」


3人は揃って笑い合った





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