小説(コルダ)

□いつか、必ず
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金澤は放課後の用事を終えて、屋上へとあがった。

手すりによしかかり、眼下にいる生徒たちを眺める。

あそこにいるのは志水か。そんなところで寝ちまったら、風邪ひくぞ。お、通りかかった冬海が起こしにかかったか。そんな遠慮がちに起こしても起きないぞ。

あそこでパチパチ写真撮ってるのは、天羽か。撮られてるのは…月森か。迷惑がってるなぁ、月森。天羽はいたっておかまいなしだが(笑)。

白衣のポケットからタバコを取り出す。

風に乗ってヴァイオリンの音が聴こえてくる。…この音は、日野だな。これは…乾杯の歌か。

「やっぱり、やめておくか。」

タバコを白衣のポケットにしまう。

お前のヴァイオリンと合わせられるまでは、しばらく我慢だな。

反対のポケットに入っている、携帯灰皿を指先で触れる。

いつか、必ず、な。

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