短篇

□煽りも程々に
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「今日は無礼講だ!」


前々から御上を狙っていた輩を捕え褒美として酒を持ち帰った近藤。

皆和気藹々として飲み始めた。



「よし、勲歌います!」


近藤は裸になり調子良さそうに歌い出す。そんな近藤を止めるのも土方の仕事。

その隣で何やら隊士達が輪になり賑わっている。



「何してんだ?」





「あ、沖田隊長が酌をしてくれているんですよ」



まさかと思いつつも歩み寄れば、輪の中心には確かに沖田の姿が。

「隊長もっと下さい!」

「分かりやした〜」


軽い足取りで周りの隊士等に酒を注いでいく。







「総悟」






名前を呼ぶと酒のせいかほんのり蒸気した頬に潤んだ瞳を向け



「土方さんもどうですかィ?」



ふらりと立ち上がり土方の益に酒を注ぐ。普段からは垣間見ることの出来ない行動に多少驚いた。




「お前酔って…」



頬に触れようとした手は空をきった。数人の隊士等が沖田の服を引いたのだ。沖田はその拍子によろけ彼らに寄り掛かる体勢になった。



「隊長、暑かったら脱いでいいんですよ?」

「少し暑いでさァ」


促されるまま上着を脱ぎスカーフを解き首元を緩めた。

鎖骨が微かに覗き見える。

隊士達は喉を鳴らし沖田に近づく

「お前ら外に料理届いたみてぇだからとりに行け」

土方の言葉を聞くなり我先にと部屋を出て行った。



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