短篇

□新芽
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冬至もとうに過ぎ去り、春がやって来る
春の訪れの足音が導いているかのように

木々が葉を散らせ、幾つも生えている木の幹辺りに彼はいた












「あれ、総一郎君じゃん?」







軽い足取りで歩み寄るが動く気配がない
隣に腰を下ろす
アイマスクをつけ寝ているようだ
変わったアイマスクをゆっくりと取ると幼さが若干残る端整な顔立ちが露になる

太陽の光に照され輝いている栗色の髪をかき上げて見るが起きる気配はない














「…長い睫毛」






瞼に指を這わせると僅に瞼を振るわせた



「……銀さん襲っちゃうよー?」


顔を近付け彼に口付けを落とす



「ん…あれ?万事屋の旦那じゃないですかィ。どうして此処に」


「総一郎君こそ、さっき多串君が捜してたよ?なに、サボりですかコノヤロー」


「総悟でさァ。まぁ、そういう事です」


身体を起こし幹にもたれ掛かるように背中を預けた沖田


















「あ、蕾だ」













彼、沖田が見上げた先には1つの蕾があった





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