短篇

□面影
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普段と何ら変わりない日々。
毎日同じように時間は過ぎ去ってゆく。


普段通り歌舞伎町内の見回りをしていた土方。
何事もなく徘徊を終わり屯所に戻ろうと足を進めるが、気付くといつも『万事屋銀ちゃん』の前にいる。




ーー…明りが灯っていない



何処かに出掛けてもいるのだろうか。











風に撫でられた漆黒の髪は彼の表情をもさえ隠してしまう。


















「ンなところで何してんの?多串くん」



ふわりと甘い香りが土方を包み込んだ。




「万事屋…何でここに?」








「此所は銀さん家だよ〜?」


何を言ってるんだ?
と言いたげな目を向けられた。




「ぁあ。そうだったな。変なこと言って悪ィな」


くるりと銀時に背を向け去って行こうとする土方の手を銀時は拒むように掴む。












「銀さんに会いに来てくれたんじゃないの?」





「ありえねーな。テメェみたいに暇人じゃねぇからな」


腕を放せと銀時に睨みをきかせた。




「ふ〜ん。毎回毎回見回りの度に此所の前で足をとめるのに?」




「……っ」





「知ってるんだからな?いつも寂しげな表情で見上げてるの」




耳元で囁かれれば土方は自身の鼓動が速まる音を自覚するしかなかった。



「…なんてね。これ以上追い詰めると土方は拗ねちまうからこの辺で辞めとくわ」



「なッ//誰が拗ねるかッ!!」



銀時を殴ろうとするがひらりとかわされ宙を仰ぎ失敗に終わった。




「ほら、寒いんだから早く入った入った!」



「…分かった」




そう一言、言葉をつむげば、


今日は寝かせないぜ?

と宣戦布告。




「上等じゃねーか、買ってやるぜ。その宣言」





銀時に背中を押されるがまま万事屋へと姿を消して行った。








END.

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