第Z話
A Mad Tea Party.

「不思議の国のアリス」において最も重要で有名な章とも言える。

この章では三月ウサギの家の庭でお茶会をしていた、三月ウサギ・帽子屋・ヤマネの3人に見事に振り回されるアリスが居るのだ。

どうしてこの場はこんなにもMadかと言うと、こんな説がある。

Madな帽子屋についての説は、
@キャロルの居たオックスフォード大学近郊にいた、変な発明をする家具屋・セオフィラス・カーターをモデルにした説。

A当時の帽子は、フェルトの製造に水銀を使用していたため水銀中毒になることがしばしばあり、その影響で幻覚に陥ることがあったから、という説

Bイギリスの慣用句、
Mad as a Hatter(帽子屋の様に狂っている)からの説

次に同じくMadな三月ウサギの説は、帽子屋と同じように
@イギリスの慣用句、
Mad as a March Hare(三月ウサギの様に狂っている)という説からと、
Aオスのウサギは三月になると発情期を迎え、狂ったようになる説から。

…との二つの説があります。
ヤマネについての節は未だ耳にした事がありません。

ーー此の章、狂ったお茶会は奇妙な程狂っています。
何しろ幻想の客がおり、帽子屋は可笑しな発言をし、三月ウサギは時計にバターを塗る…

此処までMadな物語は、さぞキャロルの愛した子供たちに愛される物となったのでしょう。

こうした巧みな言葉遊びとユーモア、皮肉。そして遊び心をふんだんに盛り込んだアリス・ファンタジーは、奇妙だからこそ愛される物語でもあるのでしょう。






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