第X話
Advice from a Caterpillar.

この章で登場する、キセルを吸った芋虫は眠たそうな声で
「お前は誰だ?」
と口を開きます。アリスはそれに対して、
「私ーー私、誰何だか良く解らないんです。今朝起きた時は自分が誰だったのか解っていた筈なんですけれど、今日は何回も変わってしまったみたいなの……」
と自分のアイデンティティを失っている。

其れは体が伸縮したからなのではないか、とのアリスの発言によって芋虫は詩を暗唱する様言った。

それからウィリアム親父と息子の可笑しな詩を暗唱し終えるが「最初から全て間違いだな」と芋虫に言われてしまう。

芋虫の失礼な態度に腹を立てて立ち去ってしまうアリスだったが、彼に戻れと命令され戻った。
芋虫は3インチ(約8cm)では困ると言ったアリスにキノコを勧めた。

なんでも「こちら側が大きくなり、彼方側が小さくなる」というキノコらしい。両手を一杯に広げキノコの端を掴むと、アリスはキノコを毟り取った。

右のキノコをかじったアリスは顎が地面に付いてしまう程の身長に(つまり顎が地面に付くと言うことは、頭=身長)。
次にアリスは左側のキノコをかじるのだが、首は林を越えて長く長く伸びてしまった。

首が伸びたことにより卵持ちのうるさい鳩に蛇だと間違えられ、「少女は卵を食べる」とか「食べない」だの、卵談義が始まってしまう。

巣へ戻った鳩に一安心のアリスは体を元の大きさに縮め、歩き始めた。

そうしている内に視界は開け、高さ4フィート(約1m20cm)の家を見かける。アリスは右手に持っていたキノコを少しかじって、9インチ(約23cm)になり家へ近付いてみた。

アリスはこの章でやっと自分の身長をコントロール出来る様になった。





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