第V話、
A Caucus-Race and a Long Tale.

此の章では珍妙な動物・ドードーが登場する。

此のドードー…1800年代までモーリシャス諸島に実在した鳥類。既に絶滅した動物です。
そしてキャロルは「不思議の国のアリス」を書くに当たって、ドードーを自分に戯画化していました。

戯画化されたのはキャロルーー即ちドジソンだけでなく、ゴールデン・アフタヌーンに参加していた他3人も戯画化されて登場していたのです。

ドジソンの友人、ロビンソン・ダックワースはアヒル(dack)として。
アリス・リデルの姉、ロリーナはインコ(lory)として。
そしてリデル家の三女、イーディスは仔鷲として登場している。

話を戻して、ドジソンは何故自分を揶揄してドードーを登場させたのでしょうか。

ーー…彼には生まれ持っての吃音癖があり、社交の場場となるとしばしば言葉を支えてしまい、自らの名前を言うにも
「ド、ド、ド…」となってしまうのです。

此の事からドードーという名前が付いた、との仮説も有ります。が、自分を客観視しているドジソンのユーモアが此処に隠れて居るのではないでしょうか。

ドードーがコーカス・レースの賞品の指貫をアリスに渡す挿し絵を見れば、ドジソンの面影を見ることが出来るでしょう。

指貫を手渡すドードーの手をご覧下さい。此の手は人間の物でしょう。



キャロルの隠された神秘の真相は何処かに留まっているに違い有りません。






.

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ