※クルル擬人化
――もう、会えない。
綺麗なダンスフロア。
騒がしい人々の話し声も笑い声もどこか遠く聞こえた。
夜が明けたら、さよなら。
言わなくてもわかっているから、
それが余計に苦しい。
「クルル…」
クルルを見るとフッと優しく笑った。
「んな顔すんなよ。
…ブスな顔がさらにブスになるぜェ?」
「なっ、ひどっ…!!」
「ククッ、冗談だ」
出会ってから数時間、
もうこの人しかいないと思えるほどになってしまった。
「っクルル!?」
急に腕を引かれ、クルルの腕の中に収まる
「せっかくだし、踊るか」
出会ってから数時間、
今まで一番優しい顔で笑った。
「…うん」
月に照らされて、綺麗ね。
時間よ止まれと願うのはもう止めた。
今はただアナタと――
さよならダンス
(靴を脱がないシンデレラ)