レツゴ文

□immortelle
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季節は冬。そして今日はクリスマスという神聖な日だった。
夜でさえも明かりに灯され、街は賑わいを見せる。
人々はその中でこの日を、そしてこれから訪れる年を祝福するのだった。
あらゆる場所で老若男女が幸せな一時を過ごしていた。













「メリークリスマースアァーンドッ、今年もお疲れっしたぁああ!!!!」
「「「「「乾杯!」」」」」





それはある小さな居酒屋でも変わらなかった。
店内に威勢の良い声が響く。周りの客も同じようにガヤガヤと騒ぎ立てていた。
だから特別うるさいわけでもなかった。
そして音頭を取った赤髪の男はそのままビールを一気飲みする。ジョッキサイズを、だ。


「おいおい、最初から飛ばしすぎだろ。」
「エッジお酒弱いんだから。」
「良いじゃねぇの。ていうかお前らノリ悪すぎ!もっと飲めよホラホラッ!」


すぐ隣の金髪の男女が口を出す。だが二人の忠告などお構いなしに、彼はグイグイとビールを飲み干していく。
そんな姿を見てブレットはやれやれ、とグラスを口に運んだ。
そんな隣でポニーテールを揺らして微かにジョーは苦笑いをするのだった。


「誰がへべれけになったお前を送っていくと思ってんだ、まったく。」
「えへへー、いつも悪いねー。」


ハマーの言葉に対してエッジはにやけ顔で流す。もう酒が回ってるらしい。
それを見て学習能力ないな、と呆れ顔で目の前にあるおつまみを食べるのはミラーだった。


「まあまあ、せっかくクリスマスなんだし、楽しく飲もうよ。」
「そうだぜ!!!ジョーの言う通りだぜえぇええ!!!」
「お前は少しクールになれ。」


とりあえず言えることは、この人にクールさを求めるのは無謀だった。
 
 
 
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