レツゴ文
□光の誓いが聴こえた日
2ページ/6ページ
ピピピーピピピー
単調なアラームの音が部屋に響き渡る。
布団から腕を出し、アラームに手を掛け、その音を止める。
針は午前五時を指していた。
「寒っ…!」
冷え込む朝方、いつの間にか冬は訪れていた。
まだまだ春先は遠い。
眠い目をこすりながら、ゆっくりと起き上がる。
その時、ふとした感覚が自身の中で駆けた。
(何だろう…何だか…)
感覚よりも先に身体が動いていた。
ジョーはベッドから降りて窓へ歩み寄る。まるで導かれるように。
早朝の暗闇は街を覆っていた。光が射し込むのにはもう少し時間がかかるようだ。
寒いとわかっていながら、手が窓の鍵に動いていた。
カチッと降ろし、そっと窓を開ける。
無意識のようで意識的なこの行動に躊躇いはなかった。
わかっていたことだがやっぱり寒い。
ひんやりとした風が吹きぬく。その冷気が前髪をめくらせた。
何となく視線を下に向ける。
暗さに目が慣れたせいか、だんだんと視界がはっきりしてきた。
よく見るとそこには人が立っていて、こちらに向かって手を振っていた。
(まさか…)
見覚えのあるシルエット。
さらに目を凝らすと、それは浮き彫りになった。
その「まさか」だった。