うえき文
□HOME SWEET HOME
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「俺が媒体となっている間、仮睡眠みたいになっていて、体の自由が効かなかったから、やる事がなくて今までの思い出を最初から全部振り返ったりしてた。」
「そうだったんだ…。」
それで、と植木が続ける。
「俺は絶対に未来の事だけは想像しなかったなぁ…。『あとどのくらい』とかかんがえないようにしてた。」
「…。」
なんて返事すれば良いかわからなくて、何も言えなかった。
私は黙って話を聞いていた。
そんな私に構わず植木は話続ける。
「だから、ずっと過去の事だけを考えてた……きっとそれが俺を繋ぎ支えていた気がする。じゃなきゃ100年間も頑張れなかったと思う…。」