捧げもの
□ある日の突拍子のない考え※フリリク小説
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「食べてる途中に失礼しちゃってすみません…。」
「いやいや気にすんなって!」
詫びると、ニコッと笑ってくれた……平常心を保つので精一杯で、それ以上会話を広げられなかった。
「それよりイエロー、手ぶらじゃない。ご飯食べないの?」
そこにブルーさんが入ってきてくれて「助かった!」と心の中でホッとした。
「あっ今、友達が僕の分も買ってきてくれてるんですよ。」
「あぁ…なるほどね。」
とブルーさんは卵焼きを口に運んだ。
「…イエローが食堂に来るなんて珍しいな。」
グリーンの一言に、あっそういえば!と、他の2人も反応を示した。
「あ…はい!今日は友達とたまには学食を食べよう、って約束したんですよ。
返事の代わりに味噌汁を啜った音が聞こえた。
「俺毎日ここに来てるけど、イエローを食堂で見たの今日が初めてかも!」
「レッドさん毎日学食なんですか?」
「うん、そうだよ。ちなみに夕飯も。」
「えぇ!?」
僕は唖然となった。
「あんた、常連の中の常連だもんね。」
「調理師全員に顔覚えられてるほどのな。」
ブルーさんの言葉に補足したグリーンさん。
僕の口はあんぐり。
(あっでもそうか…レッドさんって確か………。)
「まぁ、仕方ないわよね。下宿してんだから。」
ブルーさんの言う通り、レッドさんは両親と離れて1人暮らししているのだった。
「でも俺、食堂のおばちゃんが作った学食好きだからさ、これで全然良いんだ。」
と笑いながらご飯を頬張るレッドさんだった。
たまには自炊しなさいよ!とブルーさんに言われても、「俺料理苦手だからな〜」とヘラヘラ笑っていた。