うえき文

□幸人
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「よくわかんないや。」




でてきた言葉がこれだった。素直な気持ちだった。








「どうして?」
「だってさ、“幸せ”なんて人それぞれじゃんか。」




植木はそのまま「例えばさ」と話を続ける。






「俺は走る事が好きだから、当然走ってる時が“幸せ”だと思える。だけど、中には走る事がどうしようもなく嫌いで、苦痛に思いながら走ってる人だっているだろ?」




うん、と森は頷く。




「私もマラソンは嫌い…。」
「だろ?いろんな人がいるわけだ、だから“幸せ”っていうものに定義がないから……答えが出せない。」
「そう、だよね…。」



植木のまったく言うとおり。
 
 
 
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