うえき文
□幸人
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「植木は、さ……」
この空気の流れを断ち切ったのは森だった。
「植木は…“幸せ”になりたいと思う?」
森の持ち掛けた話題は別にこの場を盛り上げようとか、壊そうとかそう意図はないように見えた。
突然何だろう…?
そう思った植木。
だけど困惑する様子もなく、サラッと答えた。
「まあ、そりゃあ…なりたい………かな。」
「うんうん……。じゃあさ、質問を変えるけど、“幸せ”って何だと思う?」
“幸せ”………か。
改めてそんな事を考えると、はっきりとした答えが出てこないのがもどかしく感じた。