レツゴ文

□行き合いの空
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秋はすぐ目前に迫っている。
だけど、あれだけ眩しくて仕方ない太陽の日差しがまだ残っていた。
夏はなかなか終わらない。


それなのに、一昨日は真夏並みに暑かったと思ったら、昨日の朝は鳥肌が立つほどの寒さで目が覚めた。
そして今日は湿気のこもった、じめじめとした地味な暑さがあった。


日本に来て大分経つが、この高温多湿な気候にはまだ慣れないでいた。
その上、こんな気まぐれな天気………これは日本特有なのだろうか?


ただ一昨日も、昨日も、今日も、
それぞれ違うものだけれど、風は吹き抜けていた。どんな時でも。










「風邪引いちゃいそう。」
「それはお前の体調管理が甘いからだろ。」


素っ気ないリョウの言葉にムッとするジョー。
そんな事ないもん、と小さい子供のように頬を膨らませた。


「まぁ、最近確かに天気がコロコロ変わるからな。」


そういえば次郎丸も今朝くしゃみを連発してたな、という彼の独り言のような呟きに、ジョーはクスッと笑った。


「あら?弟の次郎丸君の体調管理はどこのお兄ちゃんがしてるのかしら?」
「……自分の事は自分で責任を持つようにしつけているんだ。」



からかうような口調で、またクスクスッと笑みをこぼした彼女に、都合悪そうにそっぽ向くリョウだが、その柔らかい笑顔に、何かを照らし合わせるかのように思い出し、自分までもが微笑ましくなるのを覚えた。
 
 
 
 
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