捧げもの
□ある日の突拍子のない考え※フリリク小説
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僕が思い立った理由はここにあった
普段僕はお弁当を自分で作って持って来ている。
だけどクラスの友達と「たまには学食が食べたいね。」って話になり、この日は学校の食堂で昼食を食べる事になった。
午前の授業が終わり、別棟にある食堂へ足早に移動した。
着くと、もう既にテーブルに向かって食事をしている者や、カウンターにうじゃうじゃと並んでいる生徒達でいっぱいで、食堂は活気に溢れていた。
滅多に食堂に来る事がない僕は、この光景を少し新鮮に捕らえた。
「うわあ、混んでるね〜」
「席空いてると良いんだけど…」
が、しかしよく見てみるとみんな出入口やカウンターに近い所の席を確保していて、奥の方はかなり席が余っていた。
「じゃあ奥の方行こうか?」
と僕が友達に問うと、
「そうだね。じゃあ私イエローの分も頼んで学食持ってくるから、席取っておいて!」
わかったありがとう、と返事をしてお互い別方向に足を運ばせた。
入口付近とは違い、人が少なくて、席も選びたい放題だった。
(どこにしようかな?どこでも変わらないんだけど…)
「おーいイエロー!」
迷いながらうろうろとしていると後ろの方から僕の名前を呼ぶ声がした。
振り向いて1番にレッドさんが見えた。
僕は思わずドキッとしてしまった。
そして向かい側にグリーンさんとブルーさんもいた。
「席探してんのか?なら隣空いてるから来いよ!」
とレッドさんはすぐ隣の椅子を引いて、ぽんぽんと「ここだよ」と言わんばかりに叩いていた。
カウンターの方を見ると、まだ友達は並んでいたので、少しなら…と思い、僕はレッドさんのお言葉に甘えて隣の席に腰を下ろした。