家族パロ

□七夕前夜談
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マイスタ兄弟パロで七夕前日


7月6日。

その日は何故か長男がいそいそと何かの準備に取り掛かっていた。

「さーさーのーはさーらさらー」

歌まで歌って何やら上機嫌だ。

「…何を歌っている」

刹那がかわいそうな目で自分の兄を見る。

「ん?これか?」

「そうだ」

ロックオンが指指したのは笹の葉や飾りなど。

「本当に行事に疎いな」

いつの間にか後ろにティエリアが立っていた。

「疎くて悪かったな」

刹那が少しムスッとする。

「悪いとは言ってない、ただその年齢なら年相応に子供らしく行事に関心を持ったらどうかと思っただけだ」

「俺は子供じゃない!
そっちこそ子供だろう!」

「なっ!ぼ、僕の何処が子供だと…っ」

(そうゆう所だよ)

「まぁまぁ二人とも落ち着けって」

ロックオンが適当になだめて話題を戻す。

これはなぁ〜と得意気に指を立てる。

「これは笹っつって、これに願い事を書いた“短冊”ってのをくっつけんだよ」

そう言ってまだ何も書いていない短冊をぴらぴらと振る。

「願い?」

「そ、願い」

刹那が何かを考え込む。

「なんでも良いのか?」

「まぁ、良いんじゃないか?あまり無茶なのはやめた方が良いと思うけど」

刹那が少しがっかりする。

「…そうか。じゃあエクシアには会えないのか…」

おいおい何を叶えてもらうつもりだ?うちの可愛い三男は。

「やっぱり発想が子供じゃねーか!」

子供という言葉に刹那が反応する。

「俺は子供じゃない…、ガンダムだ!」

「いや刹那、それもどうかとお兄ちゃんは思うぞ」

弟がガンダムなんてごめんだ。

「それは僕もちょっと困るかな…」

いやいやちょっとどころじゃないと思うんだが。

「…ていうかアレルヤ、ハレルヤ。お前らいつの間に?」

「さっきからずっと居ただろうに。お前は刹那しか目に見えねーのか!」

「僕らはアウト・オブ・眼中ってことかな」

アレルヤが悲しそうに言う。

「!このロッリコン!アレルヤを泣かすなんて…万死に値する!!」

ティエリアがどこから出すのかわからない分厚い辞書を装備した。

「ちょ、ま…待て!な?落ち着けティエリア!てゆうかアレルヤ泣いてないから!」

「我が師匠直伝のこの技を喰らうが良い…」

ティエリアがゆっくりとロックオンに歩み寄る。

「…刹那、あれは武力介入しなくて良いのか?家庭内紛争だぞ(色んな意味で)」

「……ロックオンだから、いい」

「…そうか」

「ああ」

ハレルヤと刹那の静かな会話は一人の悲鳴に掻き消された。




おまけ

「まぁ、恋は盲目って言うから仕方ないよね(笑顔)」

「…そうゆうのは殴られる前に言って欲しかったな…」

「ところでさ、みんなは結局短冊に何をお願いしたの?」

「60分の1エクシアだ」

「即答…流石ガンダム馬鹿だね、刹那…」

「ありがとう。最高の褒め言葉だ」

((((ええー…))))

「じゃ、じゃあロックオンは?」

「刹那とー…じゃない!ゴホン、三食じゃがいもになりますように!」

「三食じゃがいもでやっていけるのはテメェくらいだっての」

「…ていうか今本心がちらついたような」

「で、眼鏡はなんだよ」

「……気にするな。それよりハレルヤこそどうなんだ?」

「あ゛?俺は…。大したことじゃねぇよ」

「二人とも気になる」

「ほら刹那もそう言ってるし、お二人さん言ってみなって」

「「煩い年増!」」

「と、年増ってひどい…」

「…アレルヤは何を書いたんだ?」

「僕?僕は…みんなが笑顔でいられるようにって」

「アレルヤ…」


「……なんだあの邪魔できない感じのキラキラした雰囲気は…」

「叶う…と良いな」

「うん、ありがと刹那」

この後嫉妬した三人による介入で刹那が機嫌を崩すまであと30秒である。



マイスタ家の行事はいつだって騒がしい。

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