家族パロ

□母の日サプライズ
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「今日は母の日だ」
ティエリアがそう高々と言い放った。
「…そう…なんだ…」
「………エクシア…」
どう反応を取っていいのかと戸惑うアレルヤとガンプラに夢中になっている刹那
にティエリアがため息をつく。
「わかっているのか?今日は―…」
「母の日なんでしょ?」
続きをアレルヤが遮った。
「…わかっているなら何故行動しない!」
ティエリアがアレルヤに詰め寄る。
「何故、って…この家は母親が不在だよね?」
「ああ。だがロックオンが居る」
「ロックオン?…でもロックオンはお兄さんでしょ?」
首を傾げるアレルヤに刹那が言う。
「いや、母親だ」
「…母親?」
「そうだ、ロックオンは母親的立ち位置に居る」
その意見になるほど、と曖昧な笑みを浮かべた。
「だからロックオンを祝ってあげるってことかな?」
「その通りだ。だから今から分担して祝いの準備を行う」
「今から?ロックオンは…」
「今日は帰りは遅いと言っていたから大丈夫だ」
さっさとやるぞ、とティエリアがアレルヤと刹那を引っ張る。
「生憎だが俺は今エクシアを造っている」
「祝いに喜んだロックオンが1/60エクシアを買ってくる可能性も…」
「今すぐ取り掛かろう、アレルヤ早く!」
「う、うん…!」
ティエリアの一言で刹那が目をキラキラと輝かせ、アレルヤを引っ張る。
刹那の扱いがうまいなぁと感心する半面、ティエリアには敵わない気がした。



「分担どうしようか?」
アレルヤの問いにティエリアがテキパキと答える。
「俺は料理を担当する。アレルヤは飾りを、刹那は…買い物だ。ロックオンが喜
びそうなプレゼントを買って来てくれ」
「?…テキトウに選んでもいいのか?」
「刹那からの贈り物なら何でも大丈夫だろう」
「そうか」
刹那はその意味をあまり理解してなかったようでハテナを浮かべていた。
「じゃあまず買ってくるモノをリストに書こうか」
「まず料理の材料だな」
「何料理が良い?」
「ロックオンならじゃがいもだけで十分だろう」
「そうだな」

・買い物リスト
肉じゃがの材料


「クラッカーとかもいいんじゃない?」
「…なんかロックオンにやったらそのまま玄関で泣きそうだな」
「同感だ」

・買い物リスト
肉じゃがの材料
クラッカー


「後はそれぞれのプレゼントだね」
「俺のはその紙に書いてある」
そう言ってティエリアが刹那に紙を渡す。
「…ベタというか」
「定番だね」
紙を見た二人がぽつりと漏らす。
「…っ、行事というのは定番なものが一番遂行しやすく反応も取りやすい」
一応反応を気にしているらしい。
「…アレルヤは?」
そう聞くとアレルヤはうーん、と軽く頭を悩ませた。
「えーと…じゃあ、肉じゃがとは別にじゃがいもを買って来てくれないかな?」
「何か作るのか?」
「そんなところ」
アレルヤがにこりと笑う。
「刹那は?何にするの?」
「…まだ決めてない」
「なら買い物ついでにゆっくり考えとくと良い。
とりあえずこのメモ通りに頼むぞ」
ティエリアな渡されたメモを受け取りコクンと頷いた。
「じゃあ行ってくる」
行ってらっしゃいと見送るとすぐに僕らも自分の作業に取り掛かった。





「サラダでも作る?」
刹那が材料を買ってくるまで特にやることが無いティエリアにそう提案してみた

「サラダ…か」
「うん、ポテトサラダなら喜ぶと思うし」
ロックオンは極度のじゃがいも好きだし。
「…わかった、作る」
そう言ってエプロンを結びながら台所へ向かった。
「僕も飾り付けやらなきゃな…」
わりとこうゆう単純作業は苦手じゃない。
テンポ良く飾りを作っていく。
飾りが半分出来た辺りで何やら変な匂いがしてきた。
「…?これは一体……」
なんだろう、と首を傾げていたらティエリアが慌てて部屋に入って来た。
「ど…どうしたの、ティエリア…?」
ティエリアは手に持っていたスプーンを素早くアレルヤの口に入れた。
「!?」
急に何だ、と驚く前に…
「こ、れは…」
何…!?
なんだか不気味な味がする。
しょっぱくて辛くて。
でも噛むと甘さとすっぱみが出てくる。
食感はざらざらしている。
「どうだ…?不味いだろ…?」
口を押さえたまま目だけティエリアに向ける。
「レシピ通りに作ったんだ…なのに何故なんだ!何故こうも不味くなる!
俺は…僕は…私は…っ!」
床にうずくまり絶望するティエリア。
慰めてあげたい…けど、今の状態ではとても無理。
自分で精一杯というか…
「何やってんだ、お前ら…」
振り替えると呆れた顔をしたハレルヤが居た。
「ハレルヤ…?どうして貴様が…」
ティエリアが少し顔を上げた。
「わりィかよ。アレルヤに呼ばれたから来てやったんだ」
「アレルヤが?」
「うん、ちょっとね」
とりあえずハレルヤに異臭を発している食べ物(?)のことを伝える。



「…なるほど、眼鏡がこの奇っ怪なモノを作ったのか」
ティエリアが奇っ怪とは何だ、と反論しようとして止めた。
実際にそうなのだから反論しようがない。
自分でも不味くて絶望したくらいなのだから。
「ったく仕方ねぇ。おい眼鏡、こっち来い。一から教えてやる」
「…」
「大丈夫だよ、ハレルヤは料理上手だから」
「…わかった」
そう言って二人はキッチンへ戻って行った。
「…さて、続きしなきゃね」

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