家族パロ

□それも愛
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その日刹那は入学式前日で、発注した制服のサイズやらを確かめていた。
「やっぱり似合うね」
「バッチリだな」
「流石俺のせっちゃん」
「…誰がいつお前のものになった」
それに俺はガンダムだ……
「写真撮ろう写真!」
「そんなもの撮るな!」
恥ずかしいくらいはしゃいでいる馬鹿兄貴の腹に一発入れてやる。
ついでにカメラも投げ捨ててやる。
「せ、せっちゃん…酷い…、優しいお兄ちゃんに一発入れた挙句、せっちゃんのレアな寝顔も入った新品カメラを投げるなんて……」
優しい兄は寝顔隠し撮りなんかしない。
「カメラなら此処にあるぞ」
ティエリアがカメラをすちゃっと取り出す。
「お!ナイスティエリア!」
「…別に貴方の為に貸すわけじゃない」
ティエリアがロックオンを睨む。
そして復活したロックオンがカメラを構え刹那に迫っていく。
その光景がとても気持ち悪い。
「く…来るな!」
本気で悪寒を感じる。
「ほぅら、せっかく似合ってるんだから〜」
「観念しろ」
「ドンマイ」
周りに味方なんか居なかった。
じりじりと迫る三人。
「や…やめろ、来るなァアア!」

刹那の悲鳴が響いたその日、他三人は上機嫌だった。




後日。

「たくさん撮れたね」
アレルヤが楽しそうに写真を見ながら刹那に渡す。
…どれもカメラを睨んでいる。
「ん〜やっぱり刹那かわいいなぁ」
ロックオンが後ろから写真を覗きこみ、満足そうに言う。
……また一発い入れてやろうか。
「大体…どうしてブレザーなんだ?ソレステ中学は学ランだったはず……」
「似合うと思ってさ。…因みにそれ俺の高等部の制服だ」
「な!」
ただそれだけの為に自分は一日着せ替え人形にされていた…?
そう気づくとふつふつと怒りが込み上げてきた。
(ついでにロックオンの制服ってのも気に食わない…!)
「…こ…の馬鹿ロック!!!アレルヤもだ!こんな馬鹿と一緒になって!」
「…ば、馬鹿って酷い…」
事実だろう。
「とりあえずこの写真は燃やす」
二人が持っていた写真を素早く奪うと火をつけて燃やしてしまった。
「………もったいないね」
「あ゛あああ゛あぁあ゛!俺の刹那がァアア゛!!!」



ロックオンが啜り泣きするのを
「…甘いな、ロックオン・ストラトス、アレルヤ・ハプティズム」
ティエリアが陰から見ていた。

……大量の写真を抱えて。






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