執筆

□Fox Chaser -灰蒼沸点100℃-
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蒼天から荒天へ。曇り空から青空へ。
雲が流れ行き鬩ぎ合うようにして雨を降らせ、それを風がふわりと流して行くように、
今日もどこかで戦いは続いている。








「つーわけでどっか行こうぜ」

「・・・は」


『つーわけで』の前に会話は一切ない。何が言いたいのだろかこの鳥は。
いや、言いたい事は大体想像がつく。
もう何度とこのロールプレイングが繰り返されているからだ。
つまり…『ウルフの野朗がマジでウザいから二人で愛の逃避行しようぜ』(若干難アリ)ということ…だろう。多分。


「いや…生憎だけど、今日予定あるし、俺」

「あ?何のだよ」

「え、えっとウ…」


そこまで言ってフォックスははたと気づいた。
ここで『ウルフ』という単語がフォックスの口から出てしまったら。
1.血相を変えてキレられる 2.やりすごしたとしても後でストーキングされる
の2パターンがありありと想像できてしまう。やばい。 これは誤魔化さないと。
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