hiyori
□おはよう、さよなら
1ページ/1ページ
たいし
たいし
たいし
僕の唇から涙のように次々と溢れ出す、愛しい人の名前。
そのかわり、涙は出ない。
呼んでも呼んでも足りないくらい、
貴方のことを愛してるのに
今日。
何時かは来ると解っていた、離別の日
けれど決心など出来てなくて、信じたくもなくて。
眠りから起こすように優しく名を呼ぶ姿は滑稽だっただろうか。
名を呼べば目を覚ますだろうかと幻想を抱いて、愛しい名を呼び続ける。
たいし、たいし
太子。
握り締める手は、氷のように冷たかった
.