hiyori

□寝相、悪い
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(ああまた布団蹴り飛ばして寝てる…)

もうそろそろ冬だというのに何を考えているのかこのオッサンは上布団をかぶらずにぐっすりと眠っている
このオッサン…太子は眠る時は意外と静かなのだと今日初めて知った
規則正しい寝息をたてて(いびきなどは聞こえない)仰向けに大の字になって眠る太子


(あ、まるまった)


やはり寒かったんだろう、そんな太子に嫌々仕方なく布団をかけてやる
その体は意外にも小さく見えてこんな小さな体で一国をまとめているだなんて思えなかった
太子はゴロンと寝返りをうってもう一度深い眠りにはまってゆく

「ぃも……こ」

不意に呼ばれ心臓がドキリと飛び跳ね、全身の血が一気に動き出したのがわかった


数秒経ち、寝言だったことに気づく。僕の心臓はまだうるさいくらい働いている
嗚呼、ただの寝言にここまで心をかき乱されるなんて思いもしなかった

(名前を呼ばれただけなのに…!)

何故こうも愛しいという感情が沸き起こってくるのだろう














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