hiyori
□塞ぐ手を
1ページ/1ページ
いきなりのことで驚いた
ねえ、曽良くん?
君は私のことどう思っているの?
何がしたくて、何を望んでるの?
この暗闇の中 そんなことを考えた
くらい
こわい
何をされるかわからない
恐怖が体を支配して
ガタガタと震える情けない自分がいた
君のしたいことが解らない
何故こんなことするの?
誰に問いかけるでもなく
自分の中で反芻させる
自然と涙が流れてきて
涙とともに嗚咽があふれ出す
バシンと言う音がして
頬を叩かれたことがわかった
「そら、く、ん」
小さく掠れるような嗚咽混じりの声は
広く暗い部屋に微かに響いた
ねぇ、そらくん。
…目をふさぐ、手を離して。
君の顔が、見たいのに
これじゃあ全然、見えないよ
ねぇ、そらくん。
…君は泣いているんでしょう?
.