隣の家からまた腐臭がする。最近は慣れてしまってるから、気付くのは相当な臭いになってからなのだが、今日はなんか特別に鼻を突くような、異常な数の臭い
隣の家からまた電話している声が聞こえる。この家は壁が薄いから、歌っただけでも煩いらしい。「…高橋?やったから来てよ」なんて声がすぐ近くで聞こえた。この壁に寄り掛かって電話しているのか
隣の家からまた僕に御呼びがかかる。壁をドンドンと叩くもんだから、いつかこの壁は叩いたところに穴が開いてしまうんじゃないか?「……いるんでしょー。また殺しちゃったからさ、高橋来るまで手伝ってよー」と壁叩きをやめて、ベランダに侵入して来た。いつも通り臭いを漂わせ、返り血が黒な服に染みになっている、ニタァとニヒルな笑いをしながら、今日も来やがった