戯言仮3

□螺旋相互
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「愛してる」



その言葉は、誰に向けているのか。何処に向けているのか。そもそも、その言葉を発したモノは存在するのか。相手も存在するのか。
今、君は恐らく僕の何かにその言葉を呟いた。そんなの彼女しかわからないことだから、僕はそのまま待っているんだ一生


「はい、今日誕生日でしょ??貴方に合うもの、よくわかんなくて適当に買ってきちゃったんだけど、これ・・」
「こんな高価なもの買ってきたん?ありがと、本当に嬉しいわ」
「いやいや、特売で買ってきたからそんなに高くないよー。ちょっとばかし騙してみました」
「うわー嘘つきやがったけぇ」


僕がいたから、今の君はいたわけで、存在意義が出てきた
君がいたから、今の僕はいたわけで、君の意味がある


「黙ってないと、ほかの奴らが嫉妬するじゃろ?」
「何時からそんな臭い言葉が吐けるようになったんですかー?」
「いいのいいの、お前は黙って観覧車にわしと一緒に乗ってればいいの」
「ぶー。あっ・・凄いよ、凄い!!東京タワーが見えるよ!ほら、あそこ」
「新宿もギラギラしとるしのぉ」
「・・・・ありがとうね」


君がいたから、今の僕はいたわけで、存在意義が出てきた
僕がいたから、今の君はいたわけで、僕の意味がある


言葉を言われて、受け止める。別に言葉なんかじゃなくていい。要は行動だ。瞼を閉じるだけでいいのに。手を握るだけでいいのに。そこに誰かの意味が生まれるのかも知らずに、僕らは生きてるんだ



「愛してる」

今度は僕が君の存在を与える。そして同時に君が存在を持ったときに僕の意味があるんだから。
君が笑うことで、僕は存在を肯定されたんだ





君がいるから僕がいる
僕がいるから君がいる



(〜20090426、拍手)


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