戯言仮3

□逆世界
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私は空に浮遊又は飛行するために、高い場所から飛び降りる。

ふいに行った東京タワー、私は何でも見下げる事が出来た。地平線の先が見えない広い世界を見下ろした。私はここに立っている、これが私の生きている世界だと。
しかし、この広い世界に私は生きているのだろうか。日常生活において目に映る範囲は酷く狭い。私はどちらの世界に生きているのだろうか。わからなくなる。わからない。

結論、私は広い世界へ飛び込むためにここらで1番背が高いマンションにやってきた。午前2時、辺りには誰もいない。まるで人が世界からいなくなったようだ。信号も不気味に点滅する。その様子を全部観察し、20階の廊下の手摺りに座った。立った。



――――堕ちた



始めからわかっているよ、私は飛行出来ないと。これから浮遊するだけって、空のくらげになるだけなんだって。

それは一瞬で永遠だった。仰向けに落ちたから街の明かりが空にあって、地に空がある状態。パノマラを見ているようで、この箱を握り潰せるんじゃないかと思うほどで、空気の抵抗を受けながらも、私は空に近づいていく。それが、嬉しかった。

天と地が反対になってるなんて、今の私には最も関係ない事だ


空に飛んで、よかった





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