戯言仮2

□イロイロ
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<モルモット>
嗚呼、実験体。それは誰に向けての言葉なのか。私かモルモットか貴方か。それは貴方しかしらない。貴方が私をどう観てるのかなんてわからないから、


<赤い糸>
信じていたのは幼くて、無垢な時代。過ぎていけばそれは自分の首を絞めるものだと気付いた。固定概念で貴方を決めつけ、結ばれていたのは薬指なんかじゃない。ちゃんと首に掛かっていたんだ。切らないと、死んじゃうじゃない


<まとも>
普通の僕はテストの点も平均。成績も平均。身長も平均。小遣いも平均。平均的というのいつからか僕の中の普通で、決して他人からの普通ではない。他人からまともと見られる事は不可能なんじゃないかな


<濁り>
飛び出たのは白濁。注ぎ込まれたのは欲望。別にいいわ。もう溢れちゃうのよ、一杯にしないでよ。きっと壁にこびりついた貴方はガリガリしても、切り取らないととれないでしょ?カーペットに浮き出た茶色の染みとか、アレとかどうする気?気持ち悪いぐらいに濁ってるんだから、みんな


<虚の行為>
ホームでキスを繰り返してるカップルを避けて、停車位置に列ぶ。クチュクチュと煩いなぁ、もう。こんな日に限って音楽プレイヤーを忘れるなんて、僕も疎いなぁ、もう。男の右手なんて見てみろよ、携帯打ってるぜ。夢中で貪り付く女にはそんな事どうでもいいみたいだけど、貪り付けなくなるって。今にもホームから突き落とされそうにバランスを崩して寄り掛かる女を蔑んだ目で男は見てたんだ


<漁り>
ガーガーガー、ラジオのノイズが好きだ。いつからか宇宙人が交信を行ってくるかもしれない、なんて思っちゃいないが、人間には理解不能な音楽だと思ってる。決して規則性のない不変的な音の集まりが小さい耳に流れこんでくるんだから、全身全霊で受け止めないとね。僕は寝転がりながら鼓膜が破れるのを補整しながら聞いてる


<ミルク>
貴方は賞味期限切れ。腐ったものを飲んだのよ。茶色に変色し、腐乱が起こるものを飲んだのよ。とめどない悲しみが喉を通り、食道を焼いていく。胃酸が逆流するかのよえな思いをして牛乳を飲んだの。涙が出るほど美味しかったわ。でも腐ってるんだけどね。きっと後で体を壊してもいいと思っていたのね。夜12時きっかりに賞味期限が切れるわけなのですが、何も変化しなかったのが悪いの。せめて何かしらの変貌を遂げて欲しかった。賞味期限が切れた牛乳を置いて、ビンは空になる。排泄物からまた摂取出来るかといえば、そんな事をやる勇気はさらさら持ち合わせてないから、貴方は消えたまま、私は体を壊すの


<心筋梗塞>
君は自分の心臓を刔り出して見せてくれたよね。「朱く染まってるでしょ?」なんて、青白い液体が滴ってた。有難うって言って渡してくれたけど、何にもいい事ないんだ。僕には何にもメリットないんだけど。今思ったんだけど、その時に握り潰しちゃえばよかった。それかコックを使って動脈を遮るのもいいかも。人は悲痛に歪んだ顔が1番綺麗って誰かが言ってたからさ。あの時はちゃんと体に収めてあげたよ。今度心臓を見せてもらった時はその手から奪って、マンションの13階から落としてあげる


<殺し屋・轢き屋>
今日もまた毎日違う愛車に乗り込み、毎日違う通勤道路を走らせる。毎日違う取引相手に会って、また愛車を止めて電車に乗り換える。花金じゃん。行きつけの居酒屋も満杯なわけだ。家にヘロヘロで帰って、ベッドイン。起きたらニュースを付けて、取引がどうなったかを確認。そしてまた、始まる






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