戯言仮2

□夢で落ちた情けない男の話
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普通にベッドで横になってた

今日のリハの反省点やら、昭仁の声の調子やら、最近の自分のギタープレイの切れの悪さやらを

ただ漠然と思い出しては、流していく



そんな事をやってたらまだ酒も飲んでないのに眠くなってきた。この部屋が調度いいくらいに眠気を誘うのだ

「あー、眠い」

小さな独り言を言ったら、ますます眠い。はしゃぎ疲れた子供の頃を思い出すような、そんな感じ



うたた寝だからそんなたいした夢じゃない。晴天の下、ビルの屋上で煙草を吸ってるだけの夢。現実でもこんな事はよくある

室外機が煩く回っていて、ひたすら温風が体に当たる。この臭い、埃臭くてそんなに好きではない。真下の道路を覗くと車が煩く通り抜けていく。終いにゃ救急車まで通りやがった

夢の中の俺はそれに疲れてしまったのか、突然ビルから飛んだ。普通に落ちた





ガクッ

下にはベッドがあるし俺は何処からも落ちてない。現実に戻って来た。だけど落ちた。夢の中じゃなくて現実でも

俺は夢から落ちた。それで起きた

体がガクッと落ちたんだ。まるで、底が抜けたみたいに

小さな恐怖が心に芽生える。いきなり落ちるって凄い怖い。寧ろ自分で飛び降りる方が怖くないのかも



疲れてるのかな。仕事でも上手くいかないことだらけだし

飛び降りて死ぬ夢ならいい。だけど、あんな風に起こしてくれるな。全て脳が感じた事に外ならないんだけど



そうだ、そういえば、夢で階段を踏み外して、起きた事があった。共通点は『落ちた』



もう、怖いから、起きないといいけど

物理的に落ちるって、怖いんです





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