戯言仮

□7月3日の夢
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なんだかわからないけど、人が死んだ


自然と涙が出てきて、恥ずかしくなった



……いいや、そう思うのはなぜか死んでしまったこの人に失礼だ


人の死は悲しいものだ。悲しいものを泣いて何が悪い


ただ突っ立ってちゃ、意味が無い。ダメだ


僕は人をかきわけ、死んだ人を目の前にした










手を合わせた。ただ無心に手を


僕は何も悪いことはしていない。だけど、手は合わせられなくなった


誰かが怒っている





僕は何も悪いことはしていない。だけど、手は合わせられなくなった










よく見ると怒っている人は僕と違った


なぜか、違う。上から下まで虹色の布を纏っている



おかしい



…いいや、そう思うのはこの怒っている人に失礼だ


人は違うんだから、同じでは決してない












僕はもう一回、手を合わせた



僕は何も悪いことはしていない。寧ろいいことをしているはずなのに



髪の毛を引っ張られた。虹色が増えてた




僕は何も悪いことはしていない。だけど、手は合わせられなくなった










僕はそこに、死んでしまった人の前にいられなくなった


僕は何も悪いことはしていない。だけど、手を合わせることができなかった


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