BLEACH

□Tender darkness
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細い躰を揺さぶる度に、小さな桜色の唇から艶やかな声が漏れる。

押し殺そうとしているのか、時折くぐもったように聞こえるその声はひどく煽情的で、いとも容易く白哉の熱を高めてゆく。


「びゃ、くや…さまっ…ぁっ…」

「…緋真…」

縋るように伸ばされた手を取り、背中に導いてやると、ぎゅ、としがみ付いてくる。
白哉はそんな緋真の背を抱いて、体を密着させ、さらに強く揺さぶった。

「あっ…ぁ、あっ…だ、め…っあ…――!」

肩と背に食い込んだ緋真の爪がもたらす、微かな痛みさえ愛しく感じる。

酸素を求めて喘ぐ唇に口付け、逃げるように引っ込んだ舌を捉えて、絡めて、吸い上げる。

ちゅ、と小さな音をたてて唇を離し、濡れた桜色を舌先でなぞる。


「も、白哉さ…まっ…」

限界が近いのか、緋真の閉じた瞼から涙がこぼれた。
内側を抉るように律動を速め、ともに昇ってゆく。

「あ、あ…びゃ、く…っ、ぁ、ぁんっ、…あ、―――っ!」

「…っ」

誘うように痙攣する緋真の中で、白哉もまた熱を解き放った。
溶け合ってしまいそうなほど、熱く互いを感じる。

意識を手放した緋真が苦しくないように抱きなおし、潤んだ目元に何度も口づけて、白哉はその華奢な肩を覆うように、そっと掛布を引き上げた。

この小さな体の温もりが、安心しきったような寝顔が、白哉の心にどうしようもない愛しさをもたらす。


眠る緋真の髪にもそっと口づけて、白哉もまた、優しい夜の淵へ沈んでいった。


***FIN***



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