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□三題話バトン
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三題話バトン


下記の言葉から、3つの言葉を選んで版権、創作の小説を作って下さい。
(物語ではなく詩、歌でも構いません)


【 言 葉 】
ジャズ夜空居間ショッピングシャンプーホームルームハンカチ自転車バイトラップテスト引き出しぬいぐるみうちわ数学



使用語→ホームルーム・テスト・数学


−−−−−





「43点!!」


数学の授業中である教室に響いているのは勿論担当教諭の声だ。
今は学期末テストの返却中なのである。
数学が、というよりかは理系分野が苦手な私にとって、この返却時間はかなり厳しいものだった。
何が?とは言うまでもないだろう…
点数が見せしめの如く大きな声で公開されつつテスト用紙を渡されるのだ。
低めの点数しか取れない私には恥ずかしくて仕方がない。
勿論勉強していないわけではないのだ。
だが中々成績が上がらない。
だから、


「牧っ!100点っ!!」


だから、自身の好きな人が同クラスであるせいで点数を確実にその人に聞かれてしまうのが嫌だった。
まして…ましてその人が高確率で満点をとってしまうような優秀な学生であれば尚更、である。


「皆、牧を見習えよ!」


自分の事でもないはずなのに何故か自慢気に話す声に誘われて。思わず好きな人―牧君が座っている方向へと視線を送った。
鍛えあげられた黒い身体と端正な顔に鋭い眼差しが印象的な人
そして有能で頼りになるバスケ部主将として男女問わず人気の高い人

(相変らず格好良いなぁ〜)

無意識のうちに私の頬が緩んでしまう。
目が牧君から逸らせなかった。
が、早く黒板に意識を向けるべきだったのである。


「おいっ!何余所見している?!そんなにお前は点数良かったか?」
「ぇっ?!ぁっ!違っ!すっ、すみませんっっ…!!」


いつの間にか黒板を使いながら解説を始めていた教師に授業とは関係のない場所を見ていたのがばれてしまったのだ。
恥ずかしくて。恥ずかし過ぎて。俯きがちにスカートを握り締める。
顔や耳に熱が集まるのが嫌でもわかった。


「この授業の後はホームルームしかないからってだれ過ぎだぞ!!」


黒板をチョークでコツコツ神経質に叩く音が何かの警告音のように場を支配する。
手中に溜り出した汗が酷く気持ち悪かったが私はジッ、とスカートに寄った歪な皺を見つめながら微動だに出来なかった。

(ど、どーすれば…)

ジットリと額に浮ぶ汗は無視したが口の中に溜った唾液をゆっくりと嚥下する。
と、ほぼ同時だった。
授業終了を知らせるチャイムが鳴り響いたのは。


「仕方ない…残りは次の授業で解説する!各自復習しておくように!以上だ!!」


軽い舌打ちと共に吐き出された言葉、そして足音荒く教室を出てゆく姿
それにホッと安堵した者は多い。
無論私もその一人
ゆっくりと重い、重過ぎる溜め息を吐き出して。やっとスカートから手を離した。
きつく掴んでいたせいかくっきり皺が残っている。


「やばっ…!」


半泣きになりつつも必死で皺を伸ばそうと手で押さえ付けたり引っ張ったり
それで消えるはずもなかったが。


「大丈夫か?」
「ぇ…」
「涙目になってる」
「まっ、牧君っ?!」


不意に頭を誰かに軽くぽんぽんと撫でるように叩かれて。驚き上げた視線の先に牧君がいた。
瞬時に顔が真っ赤に染まる。


「だだだ大丈夫だからっっ!!」
「本当に?」
「うんっっ!!」
「なら良いけど…」


湯気が自分の頭から出ているのではないかと思えるほど身体が熱く感じて。思考もブラックアウト寸前だ。
思わず幸せな夢を見ているような気がしてしまう。


「あんまり一人で抱え込むなよ?」
「うんっ!!」


今にも蒸発してしまいそうな脳内で牧君の優しい眼差しを見つめながら゙このままだと死ぬかもしれない゙、と真剣にそう思った。





















(牧。最初パラレル修勇だったのだけど、色々ありまして主役急遽交代です。
ん。また始めに考えてたのと違います(笑)
書けば書くほど路線が外れるのはなぜだっ?!
む〜駄目駄目だ…)





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初出し 2010/10/18 02:47


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