SD
□三題話バトン
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三題話バトン
下記の言葉から、3つの言葉を選んで版権、創作の小説を作って下さい。
(物語ではなく詩、歌でも構いません)
【 言 葉 】
ジャズ、夜空、居間、ショッピング、シャンプー、ホームルーム、ハンカチ、自転車、バイト、ラップ、テスト、引き出し、ぬいぐるみ、うちわ、数学
使用語→シャンプー・ハンカチ・自転車
−−−−−
「きゃぁぁっっ!」
早咲きの桜が綺麗な公園で少し、ほんの少しだけ脇見をしたら小石に躓いたらしい。乗っていた自転車から振り下ろされていた。
ガシャンッ、と大きな音が場を支配して。
(い…いた…ぃ……)
遅れること数秒、ジワジワと痛さが思考を蝕み始める。
立ち上がる事すら出来ずに視線だけを彷徨わせれば両手の皮が少し擦り剥け、右膝からは血が出ているのが見えた。
止まる事ない緋色に涙目になりつつも傷口に恐る恐る手を伸ばしてゆく。
「大丈夫か?」
とほぼ同時に身近に浅黒い男の人が一人しゃがみ込んでくれた。
香水…いや、シャンプーの薫りだろうか?
不意にふんわりと爽やかな匂いが鼻を擽った。
「あ〜〜…「ヒャァッ!」血が出てるな」
それに気を取られている間に躊躇いなく足に触れられて。身体がビクッ、と跳ね上がる。
自身の口から出た変な声にも驚いて。そして恥ずかしくて。
「ちょっとごめん」
俯きながらまた妙な音が漏れ出ぬように唇を噛み締めた。
けれど、
「軽く手当てするから…我慢して」
「イ゙ッ…!!」
けれど、本来は飲む為に持っていたのだろうペットボトルの水をドバドバとかけられてからティッシュで強めに傷口を押さえ込まれて。それが痛くて痛くて堪らずに低く可愛くない悲鳴が口から出てしまう。
恥ずかしくて。恥ずかし過ぎて。また声を押さえ込もうと唇を強く噛み締めた。
「ぁっ、駄目です!ハンカチが汚れちゃいます…!!」
いや、゙噛み締めようとしだと言った方が正しいか。
男性が傷口に綺麗な白いハンカチを巻き付けようとしているのを見つけ、慌てて口を開いた。
「ん?大丈夫だよ?」
「で、でも…!」
「そんな事より後で膿んだりしたら大変だから…。今は包帯のような都合のいいものもないしね」
「そっ、それなら私のスカーフ「女性の装身具は女性を美しく飾るための物だろ?血に濡らすべきじゃない」
だが、淡々と、それが当たり前のように言葉を紡がれて。思わず口籠ってしまう。
その間に大きく逞しい手が器用にハンカチを巻き付けていた。
「こういうのは美に関係ない男の範疇だ」
呆然と目の前にある厳つい顔を見つめていたらそれに気付いたらしい。
優しい眼差しを向けてくれながら男性の口元が柔らかく緩んでゆくのが見えた。
それに誘われたようにジンワリと白いハンカチに染み込んでゆく緋の如く自分の心にも何かが染み込んだ気がして。
「これで大丈夫…かな」
「ぁっ、ありがとうございます…!」
「ん?何が?」
「わざわざ手当てを……」
「あぁ…そんな事気にしないで良いよ。それより後でちゃんと消毒し直してね?」
「はいっ!」
鼓動がドクドクと鳴り響く。
そう。煩いと感じてしまうほどに激しく激しくリズムを刻んでいたのだ。
「あのっ!」
「ん?」
「おっ、御名前!教えて下さい!!」
「……ぇ…?」
「命の恩人にきちんと御礼したいんです!先ず御名前を…!」
「別に大した事はしてないけど…?」
「私にとっては大した事です!!」
「そんな大袈裟な」
「大袈裟じゃありま「牧」せん……って…ぇ?!」
「俺の名前だよ。牧。牧紳一」
「牧…さん……?」
「ん」
きっとこれはまだ小さな形すら危うい恋心
でも、直ぐに大きく育ちそうだと更に柔らかく笑んだ彼を見ながら何処か意識の遠くで他人事のようにそう思った。
運命?
そんなのまだわからない
でも…
でも、目の前の人にドキドキしてる
今はそれで充分――…
(牧。大まかなストーリーだけ最初に出来てたものです。
最初はパラレルの修兵か笹塚さんどちらかにしようと考えてたんですが、ハンカチとか諸々の理由で牧さんにしちゃいました。
うん。纏まり悪くてすいません(汗))
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