SD

□告白
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「好きだ」
「え?杉田?」
違うっ!


思わず声を荒げてしまった三井は、すぐに説教をしたくなった。
相手は勿論三井自身。
愛の告白をしたいのに怒鳴るなど、明らかに間違っているからである。
だが、少しの反論ぐらいは赦して欲しかった。
わざわざ人気のない一角に呼び出しているのに何故わからないのか、と。
そもそも杉田って誰だよ、と。


「…違うんだ」


小さな声で話したつもりはない。
なのに上手く伝わらないのは男として全く意識されていないからだと思うと、三井はかなり凹んだ。
告白した時より明らかに声のトーンもテンションも下がる。下がって、しまう。
自然と溜め息が零れ落ちていた。
既に、再告白するだけの勇気が三井にはない。
見詰めてくる大きな漆黒の瞳から逃れるために、大きく顔を背けた。
けれど、


「じゃあなんて言ったの?」
「………………………」
「悪いんだけど、良く聞こえなかったの」


けれど、好きな相手から制服のシャツの裾を軽く引っ張りながら呼び掛けられたら無視は出来ない。
出来る奴がいるなら連れて来い、と三井は言いたい。
ゆっくりと目を合わせると、彼女の大きな瞳が潤んでいた。
聞き取れなかったことを気に病んでいるのだろうか?
凄く、可愛い。


「本当に聞きてぇの?」
「はい!」
「…聞いたら引き返せないけど?」
「っ?!」


だから調子にのった。
間合いを詰め、わざと耳元へ囁いたのである。
細い身体が一瞬ビクッと震えたが、逃す気はなかった。
それは、近付いた事に対する嫌悪感が彼女に見当たらなかったからでもあるし、瞬時に染まった真っ赤な頬や急激に高まった体温に期待したからでもある。
だからこそ三井は、すべすべの頬を優しく撫でながら゙絶対落とずとの気合いを込めてニヤリッ、と笑った。



そうして、
諦めの悪い男は信じる道を突き進む――…





























(三井。なんだか珍しい感じの方向に転がしてみました。そしたら相変わらずぐちゃぐちゃです。
しかも携帯が!携帯がぁぁぁ〜!操作しにくいです!!
うぅぅ…色々すみません(T-T))



初出し 2011/10/24 04:03


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