SD

□雨と髪の毛
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「なんだぁ〜?その頭!!」
「煩い!」


盛大に笑いつつ指差されてむくれるな、というほうが無理だと思う。
そんな想いには気付かない、気付けないのだろうクラスメートの三井が酷く腹立たしかった。
逞しい身体を二つ折りにしてまでも笑い続ける姿に思わず蹴りを入れたくなる。
悔しさを紛らわせようと奥歯を噛み締めた。


「すげーなぁ〜♪」


三井が何を笑っているのかわかっている。
爆発した髪の毛だ。
まだ四月なのに雨が降ったり止んだりしているせいか、湿気が髪を乱すのである。
くせ毛な為に毎回必死でブラッシングしているのに、だ。
それを知らずに莫迦にしてくる三井に怒りが全く収まらない。
小柄な為に迫力はないかもしれないが、いつの間にか力一杯睨み付けていた。


「ほんとにすげ〜♪」


なのに、不意に大きな手で髪を掻き混ぜられる。
いきなりの展開に動揺して反応が遅れたせいで、我に返った時には髪の毛は更にぐしゃぐしゃになっていた。


「ちょっっ!何するのよ!!」
「いーじゃねぇか、別に」
「良くないっ!」


慌てて身を捩って逃げても簡単に髪型が元に戻るはずはないが、必死に髪を手で伸ばしたり梳いたりして改善を試みる。
まぁ、上手くいきそうにはなかったが。
苛立ちが拭えなくて。そして悔しくて。眦に涙が溜まっていった。
けれど、


「なんでだよ?柔らかくて気持ち良いから触りたい」
「…へ?」
「駄目か?」
「やっ!えっ?!だ、だってぼさぼさで汚く見えるし、そのっ…!」
「んな事ねぇよ。可愛いと思うぞ?」
「はっ?!」


けれど、急に齎された内容に呆けてしまう。
真面目な顔をしている為に三井がふざけているとは思えなくて。先程までの悔しさが羞恥心に取って代わった。
瞬時に顔や耳、項までもが真っ赤に染まり酷く熱い。
混乱し過ぎてしまい、只管口を開閉させる事しか出来そうにないのだった。

































(三井。雨が降ったり止んだりしているので雨ネタです。
私がくせ毛だからこそ、のネタでした。
ん。相変わらず意味不明ですみません(汗))




2011/04/22 05:18


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