SD
□何様俺様三井様!
1ページ/1ページ
男いたんだ?
お前にも。
→そう言ってにやりっ、と三井は莫迦にしたように笑った。
「わかってて言ってんでしょっ?!質悪い!!」
「ん?何が…?」
噛み付いてやろうかという思いがフツフツと沸き起こる。
「さっきのが弟だって!!」
「あ、そうなんだ?」
「そうよっ!どうせ私は彼氏いない歴17年よっっ!!」
苛立たしくて。強く噛み締め過ぎた奥歯がギシリッ、と鳴った。
「そりゃ凄い。17年って言うと、産まれてから今までか?寂しいねぇ〜♪」
「煩いっ!!」
今にも平手打ちを繰り出しそうな自身の手を押さえ付ける為に強く手を握り締める。
緩んだ三井の表情が酷く疎ましかった。
「なぁ、そんな寂しい生活に終止符を打ってやろうか?」
「はっ?!何それっっ!!」
「付き合えばいい」
「…………は……?」
「俺と付き合え」
「……はぁぁぁっっっっっっ…?!」
怒りがピークに達していた為に三井から言われた言葉が上手く脳内に染み込んでいかず……
「あんた何言ってんの…?!」
間抜けな声しか出て来ない。
自身の眉が寄ってゆくのを嫌でも感じていた。
「だからさぁ〜俺が彼氏になってやるって言ってんの!」
「……なんで…?」
「好きだから」
そんな状況下でサラッと告げられた好意の言葉
当たり前の事ではあるが、素直に受け入れられるはずもなく。
「莫迦にしないでっっ!!」
長く逞しい三井の太腿に蹴りをいれる。
いや、いれようとしたと言ったほうが正しいか……
「酷いなぁ…」
もう少しで届きそうだった足は大きな手に囚われていて。
「俺、本気なんだけど……?」
耳元に齎された熱い吐息にただ身体をびくり、と跳ね上がらせる事しか出来ないのだった。