銀魂

□異
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「花咲かましかば」で、
イラスト&小説を書いてみるというお題です。
最近、古典にはまってるので、古典てきなお題を作ってみました。
意味は「もし、花が咲いたとしたら」
(ブログリのお題でした)










《ねぇ!あれ知ってる?》
《何?》
《あれよ!あれ!あそこにある草なんだけどさ〜》
《ん?何?何?》
《実は始まりの花って呼ばれてんの!でね?もし誰かが真剣に祈って真冬に花が咲いたら本来なら赦されない願いが叶うんだって!》
《何それ〜!なんで冬限定?しかも本来なら赦されない願いって……》
《私も詳しくは知らないよ〜!先輩から聞いたんだもん!!でもずっと何年も消えずに残ってる噂らしくてさぁ〜〜!よくわかんないけど…願いが叶うと大切なものを失うらしいよ……?》
《えっ!?それってなんか怖くない?》
《真実だったら怖いけど、ただの噂だよ!噂!!》
《だったらま、いっか♪》




花咲かましかば




「…好き……」


誰もいない教室で窓から差し込む橙色の陽光をぼんやり見つめながら好きな人への想いを募らせる。
もう何度目の行動になるのか、妙にはわからなかった。
ただ繰り返した愛の言葉だけが静かに、ゆっくり大気に溶けてゆく。


「なんて…正直に言えるはずもないけど……」


思わず漏れたのは苦笑
何かに操られたかのように手を伸ばし、そっと妙は窓に触れた。


「…つめたっ……」


陽光で作られた温かな色合とは異なる冷たさ
けれど、


「冷た過ぎ…」


けれど、次の瞬間、手だけではなく額も窓にくっつけて。妙は空ろな目付きで外を眺めていた。
締め切っている為に音は聞こえなかったが、葉が殆ど落ちてしまっている樹々の揺れで風が強く吹いている事がわかって。


「外も寒そ…」


唇が不自然に歪む。
何故かぼやけ始めた視界を閉ざせば、不意に今以上好きになってしまうのが恐くていつもは暑苦しい・鬱陶しいとわざと近付かない教師の穏やかで優しい笑顔がいやにくっきりと妙の脳裏に浮かんだ。
(もし今…一輪でも花が、あの始まりの花が咲いたなら……)
酷く苦しくて。胸が、苦しくて。


「こんな気持ち…なくなってくれるのかな……」


常識で考えたら有り得ない噂に縋り付いてしまった自身の思考を嘲笑しながらも、妙の瞳からは雫が絶え間なく零れ落ちてゆくのだった。


そんな妙が小さな、小さ過ぎる始まりの花が咲いているのを見つけたのは奇しくも次の日の早朝で。
一瞬大きな瞳を丸くしたが、妙は直ぐに綺麗だが何処か寒々とした笑みを浮かべたのだった。




















(妙→近。この頃修勇で現代パロをしている影響で近妙でも現代パロです(笑)
近藤さんまさかの教師設定♪うん。なんかホラーっぽくなりそうな感じですね!どうなるんでしょう?(←聞くなよ(汗))
うひゃひゃひゃひゃ♪毎度毎度意味不明ですみません(>_<)!)



初出し 2009-11-05 03:16
改訂  2012-09-05

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